不動産トピックス

【3/16号・今週の最終面特集】新ビルめぐり IT tower TOKYO 編

2026.03.16 10:43

池袋西口にビジネス・文化の新拠点誕生 多彩なワーカーサポート施設の充実に特徴
高層階の入居企業向けにプレミアムラウンジを整備
 東京でも指折りの繁華街を形成し、強力な集客力を持つ池袋エリア。今月14日、「池袋」駅西口の好立地に大型複合ビル「IT tower TOKYO」が開業した。池袋エリアでは、豊島区役所の新庁舎移転を皮切りに大型開発が続いている。これを機にビジネス拠点としての整備も加速しており、本物件の誕生によって池袋エリアのIT関連を中心とした企業層のさらなる集積が期待される。

オフィスリーシングは順調 低層部にビックカメラ新業態
 「IT tower TOKYO」は、池袋西口エリアのランドマークとして長年親しまれてきた大型商業施設「池袋マルイ」の跡地で開発され、昨年末に竣工した。JR線ほか各線が乗り入れる「池袋」駅西口からアゼリア通りを直進した西口五差路に位置する恵まれた視認性を有しており、地下通路を介して「池袋」駅と直結。ダイレクトなアプローチが可能な抜群の交通利便性を持つ。
 オフィスフロアは地上6階から25階の20層で、基準階面積は963・20㎡(291・37坪)。各階の天井高は3000mmを確保しており、開放感のある整形無柱のオフィス空間を提供する。物件では多様化する働き方をさらに進化させるために、多彩なワーカーサポート施設の充実を図っている。5階フロアにはカルチュア・コンビニエンス・クラブ(横浜市西区)が手掛ける、ラウンジの居心地とオフィスの機能性を兼ね備えた「SHARE LOUNGE」が池袋エリアに初進出。また同じ5階で運営される「コミュニティ食堂」は、平日のランチタイム限定でヘルシーなランチが楽しめる職域食堂機能を提供する。懇親会やパーティ、発表会などでの貸切利用もでき、入居企業同士や社内外の交流促進の場としても活用できる
。  17階フロアには、15階から25階の高層階オフィスに入居する企業のみが利用できるプレミアムラウンジスペースを用意した。ゆったりとした落ち着いたラウンジ空間で、来客対応や商談、社内ミーティング、出張者のワークスペースなど、自社オフィス以外のサードプレイスとして利用することが可能となっている。14階には三井不動産(東京都中央区)が運営するシェアオフィス・レンタルオフィス「ワークスタイリング」が今春のオープンを予定。また6~7階フロアにはウェルビーイングに寄与する施設として、「総合健診センター ヘルチェック」が池袋東口から移転する。法定健診はもちろん、人間ドックや生活習慣病、脳ドックなど多様な検査に対応する。オフィスフロアには、通販事業のRAVIPA、建設系のIT企業・建築市場、住宅建築のスカイフィールドコーポレーションなど、従前より池袋エリアにオフィスを構える企業を中心に移転が予定されており、関係者によればリーシングは順調に進んでいるとのことだ。
 地下1階から地上4階までの5フロアは商業店舗が集積する。池袋エリア初進出の店舗を含む、レストラン、カフェ、物販など10店舗が出店を予定。中でも2~4階の3フロアにはビックカメラ(東京都豊島区)が新業態の店舗「ビックカメラ IT tower TOKYO店」を出店する。店舗は「商品やサービスを体験しながら、自分らしい『暮らし』や『発見』が見つかる場所」をコンセプトとしており、店長の小野雅彦氏は「3フロアはそれぞれ『衣・食・住』をテーマとしたフロア展開を行っています。2階の『食』のフロアでは、大きなキッチンカウンターに炊飯器やトースター、コーヒーメーカーといった調理家電が並ぶスペース『試食堂』を設置しました。こちらでは調理家電を実際に使用して調理した食材を味わうことができます。また、お米・食雑貨・ギフトの『AKOMEYA TOKYO』の商品をビックカメラとして初めて導入し、最新の調理家電と合わせて特別な食体験を提案します」と話す。
 3階の「衣」のフロアでは、あらゆる美容家電を試すことができる「トライフルスタジオ」を設置。ドライヤーやヘアアイロンなどの美容家電とスタイリング剤を合わせて展開し、鏡の前で実際に身だしなみを整えることができる。スタジオ内にはビックカメラとしては初となる、サブスク・レンタルサービスの「エアクロモール」が提供する「家電レンタルサービス」のコーナーも展開する。4階の「住」のフロアは、暮らしのさまざまな場面を再現した提案型の売場展開が特徴。ダイニングやデスク、ランドリーなど、場面ごとに関連する家電製品を展開するほか、売場の一角にはリビングルームを再現し、最新家電に囲まれた部屋をまるごと再現する。フロア内には2月に発表されたビックカメラの新ブランド「ビックアイデア」のオリジナル商品を展開する特設コーナーも設置されており、4月の全店での販売開始に先駆けて、同店舗では一足早く「ビックアイデア」の商品を購入することができる。
 物件は、先進の環境配慮型ビルとしてさまざまな省エネ機能や脱炭素性能の採用、再生可能エネルギー電力調達100%などへの積極的な取り組みを実施する。入居企業は再生可能エネルギー100%のグリーン電力を活用することで、サステナブルな企業活動に貢献するとともに、企業ブランドの価値向上や企業競争力の強化といったメリットを享受することができる。また省エネ効率の高いコージェネレーションシステムの導入や外気冷房・自然換気といった自然エネルギーの有効活用など、環境性能にも特化した設計となっており、「ZEB Ready(オフィス部分)」認証を取得している。
 開業前から「池袋」駅周辺の各所でのプロモーション展開が積極的に行われるなど、「IT tower TOKYO」開業に対する地元の大きな期待をうかがわせる。開業後は毎週末に音楽イベントの開催が予定されており、地域の団体と連携した池袋の新たな文化発信拠点として機能することになるだろう。


【物件概要】
物件名:IT tower TOKYO
所在地:東京都豊島区西池袋3-28―13
敷地面積:3348㎡
延床面積:4万1639㎡
建物規模:地上27階地下4階
主要用途:事務所、店舗、駐車場
設計・施工:清水建設
その他:「ZEB Ready(オフィス部分)」認証取得 「CASBEEウェルネスオフィス」認証取得




週刊不動産経営編集部  YouTube