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フジHDが不動産事業に外部資本の導入検討 サンケイビルや観光事業などの売却も排除せず
2026.02.09 11:34
フジ・メディア・ホールディングス(東京都港区、フジHD)は3日、同社傘下の都市開発・観光事業への外部資本の導入検討を開始すると発表した。同事業の完全な売却も排除しないという。
フジHDは2008年10月の認定放送持株会社への移行を経て、安定した収益獲得を目指した収益構造の強化を志向。その一環として2011年にサンケイビル(東京都千代田区)を完全子会社化した。以後、サンケイビルは2015年3月にホテル事業や海洋レジャー事業等を営むグランビスタ ホテル&リゾート(東京都千代田区)の株式を取得するなど業容を拡大。海外ホテルブランドと提携した新タイプのホテル開発や、物流施設、データセンターの開発などアセットの幅と規模を拡大してきた。こうした施策からグループにおける都市開発・観光事業セグメントの売上高は、2013年3月期に401億円、営業利益54億円だったところ、2025年3月期には1409億円、同244億円と、高い成長を続けてきた。
一方、フジHDのもう一つの柱であるメディア・コンテンツ事業では、コンプランス問題のあおりなどを受けた広告減少などから売上が伸び悩む。2025年5月にグループが策定した「改革アクションプラン」では「エンゲージメントが高くオリジナリティに満ちたコンテンツや体験の場を創出」を目指し、ROE(自己資本利益率)を「2030年度に5~6%、2033年度に8%」にすることを目標としている。
グループではメディア・コンテンツ事業と都市開発・観光事業の連携を強化し、資産規模を抑制しながら成長を図ることを目指し検討を重ねたが、都市開発・観光事業に外部資本を導入し、オフバランスを実行することで成長を図ることが適切であると判断するに至り、検討に着手することとなったという。
報道などでは大株主の村上ファンドからの提言を取り入れる可能性が指摘されているが、フジHDでは具体的な理由に以下の4点を挙げている。
(1)賃貸用不動産を含むアセットをもとに事業を行ってきた都市開発・観光事業としては、資産規模を抑制しながら利益の拡大を図ることを具体的な計画とするのは容易でないと言わざるを得ない。
(2)資本効率向上のために規模の大きい賃貸用不動産を売却すれば、同事業における借入の一部返済が必要となるのに加え、その後は資金調達余力が低下して成長投資の資金を十分に確保できなくなる。
(3)事業環境の変化に対応して新規事業領域の開発を加速したいメディア・コンテンツ事業が従来にない規模の投資を必要としており、今後は都市開発・観光事業の投資とグループ内で競合することも考えられる。
(4)これまで高い成長を実現し、今後も成長を期待できる都市開発・観光事業のお取引先企業やお客様、従業員をはじめとするステークホルダーのためにも、同事業が最大限成長できる環境を整えることが適切。
外部資本の導入方法や規模、時期などは検討中で、公表する必要のある事項が決定され次第、適時適切に開示するとしている。



