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高齢者の住まい探しポータルサイト「R65不動産」 オーナー・不動産会社と高齢者つなぐ

2025.12.08 11:04

 R65(東京都港区)は、65歳以上の高齢者の住まい探しをサポートするポータルサイト「R65不動産」の運営を手掛けている。現在、賃貸物件に住む65歳以上の高齢者は400万世帯にのぼるとされ、20歳前後の大学生の263万世帯を大きく上回っている。日本は高齢化率が著しく高い一方で、65歳以上の高齢者が入居可能な賃貸物件は全体の約5%にとどまる。その理由についてR65の山本遼社長は次のように話す。
 「賃貸住宅の貸主の約7割が、高齢者が入居することに対して拒否感を抱いているというデータがあります。これは家賃の支払い能力や入居中に亡くなられた場合の対応への懸念や不安を持っているからと推測され、入居者が長年住み続ける中で高齢者となるケースは経験するものの、65歳以上の入居希望者への応対経験がなく、不安を抱えている貸主が多いのだと思います」
 「R65不動産」のサイト内では東京都を中心とする首都圏をはじめ、全国の65歳以上が入居可能な賃貸物件約4000件の情報を掲載。住まいを探している65歳以上の高齢者と賃貸物件オーナー・不動産会社をつないでいる。このほか同社では入居者の見守りサービスの強化にも注力しており、入居者の異常を早期発見できる見守りサービス「らくもり」の提供も行っている。高齢者向けの見守りサービスは担当者による訪問確認や遠隔監視などが一般的であるが、「らくもり」は各住戸の電気使用の状況を確認し、異常を検知した場合に入居者に対し電話やメールでの連絡を行うというもの。山本氏は「入居者は自身が監視されているというプレッシャーを感じることはありません。貸主にとっては不安の払しょくにつながるだけでなく、設備機器等の増設等は不要で、追加工事や立ち会いが不要な点が大きなメリットといえるでしょう」と述べる。
 日本の高齢化は現在も進んでおり、賃貸経営において高齢者の前向きな受け入れは業界全体としても取り組むべき課題といえる。この課題の解消に向け、65歳以上の入居希望者と賃貸物件の貸主が互いに安心できるビジネスモデルの構築が望まれており、「R65不動産」に対する注目が日増しに高まっている。




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