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セットアップオフィス「エスキューブ」完成 丹青社の築古ビルリノベーション「R2」第3弾

2025.12.01 11:09

 丹青社(東京都港区)は東京都中央区に位置する築古ビルをリノベーションし、「S-Cube(エスキューブ)」として11月27日にオープンさせた。
 同ビルは東京都中央区東日本橋2丁目に立地。建物は延床面積903・40㎡、鉄筋鉄骨コンクリート造地上9階、1992年6月竣工。既存設備を生かすことで、新築や全面更新に比べてCO2排出を抑えた環境配慮型の改修を行っている。
 外観は街並みに自然と溶け込むデザインを採用した。1階は60・67㎡、スケルトン貸しの店舗区画。2~9階は敷金・礼金なしで入居でき、移転コストや手間をかけずに稼働することが可能な家具付きのフルセットアップオフィスとした。貸室面積は2階が96・30㎡、3~9階は98・67㎡。
 貸室内は柔らかな間接照明が天井全体を明るくし、コンパクトな空間ながら解放感と快適性を得られるようなデザインとした。貸室フロアは複数のスタイリングを用意し、さまざまな入居者に合わせられるような工夫も施している。
 丹青社では、「耐震補強や仕上げ・設備の更新を適切に行えばビルを100年使うことは可能」とし、都心の中小規模ビルを再活性化する取り組み「R2(Real-estate Revitalization/不動産再活性化)」事業を進めている。今回完成した「S-Cube」はR2事業の第3弾で、名称にはStory(物語性)・Style(働き方の多様性)・Sustainable(持続可能性)という3つの「S」を象徴する意味を込めた。
 同社では「ビルを百年使う」をコンセプトに、スクラップ&ビルドからストック活用へと転換することでビルから排出されるCO2を削減し、気候変動抑制への貢献を目指す構え。今後も事業活動を通じ、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めていく考えを示している。




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