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地下鉄駅南側に地上32階のオフィスビル 東京・九段下で大規模再開発が始動

2025.11.17 11:19
九段南一丁目地区市街地再開発組合の設立を認可
東京都は10日、都市再開発法第11条第1項の規定に基づき、九段南一丁目地区市街地再開発組合の設立を認可した。
開発地は東京都千代田区九段南一丁目。地下鉄「九段下」駅の南側に位置する約0・6ha。今回の再開発事業では、業務、商業、公共公益施設などの複合的な都市機能の集積、街区再編による土地の高度利用を図り、千代田区の中枢にふさわしい高度機能創造・連携拠点を創出する。また、「九段下」駅周辺の歩行者ネットワークの拡充、日本橋川沿いの親水空間の改善、交通結節機能の強化等を図り、周辺環境と調和した賑わいや潤いのある街並みの実現に寄与する。
計画では、延床面積約8万1260㎡、地上32階地下3階のビルを建設。オフィスや店舗、公共公益施設、駐車場等を整備する。
都では、事業効果として3点を挙げる。1つめが、「駅とまちが一体となる駅前広場を中心とした地域の拠点形成」。「九段下」駅と直結する重層的な駅前広場空間の整備により、駅とまちの結節空間の役割を担うとともに、周辺集客施設でのイベント時の駅利用者等が滞留できる空間を拡充し、地域の拠点形成を図る。
2つめの「歩行者ネットワークの形成、水とみどりが連続するまちづくり」では、日本橋川沿いの区道拡幅、内堀通り沿いに庇のある歩行者空間の整備など、新たな歩行者ネットワークの形成を図る。また、日本橋川沿いの親水性を高めるための歩行空間の創出、内堀通り沿いを緑化し、皇居方面につながるみどりのネットワークの創出に寄与する。
3つめは、「集積する行政機能と連携した拠点として相応しい都市機能の更新と防災拠点機能の拡充」。業務・商業などの複合的な機能の集積を図るとともに、公共公益施設等を導入する。また、災害時の帰宅困難者の受け入れ空間となる広場機能の整備など、周辺と連携した防災拠点機能の拡充を図る。
今後は2026年度の権利変換計画認可、2028年度の工事着手を経て、建物竣工は2033年度を予定している。総事業費は約932億円。



