不動産トピックス

【第27回不動産ソリューションフェア&シンポジウムみどころ】セミナー「事故物件の実務と法律」

2025.10.08 10:22

事故後の対処法などを事例交えて解説
 週刊不動産経営でコラム「不動産オーナーの法律学」を連載しているしぶや総和法律事務所(東京都渋谷区)代表の綾部薫平弁護士が、今年も不動産ソリューションフェアでセミナーを開催する。今年は例年と少し違い、とある企業とのコラボセミナー。日本で初めて事故物件専門に「オバケ調査」を行う、カチモード(東京都新宿区)代表取締役の児玉和俊氏と一緒に行う、「事故物件の実務と法律」を行う。
 2022年12月設立のカチモードは、事故物件を対象にオバケ調査と名付けた室内調査を実施してきた。入居者の抱く「心理的瑕疵」という心の垣根を低くすることで、不動産オーナーが被ってしまう資産価値減少も食い止める不動産コンサルティング会社だ。同社へ寄せられる主な問い合わせは、「物件内で死亡事故が発生したが、どのように対応すればよいか見通しが立たない」や「事故物件公示サイトに自社の保有・管理物件が掲載されてしまった。何とか改善したい」など。中には抱えている事故物件の運用面での相談や、売却時に少しでも価値を高める方法を聞きに来るなど様々だ。
 同社ではそれらの物件のオバケ調査・室内調査を行い、報告書にまとめて調査依頼者(オーナーなど)へ提出。異常がない場合は証明書を発行。異常が見られた際はカチモードから調査依頼者へ懸賞金が進呈される。報告書は該当部屋の再募集時に、新規入居者へ伝える告知事項説明にも活動できる仕様だ。事故の発生によりマイナスとなった物件・部屋の価値をプラスに変える、そんな取り組みを強みとしている。
 今回のセミナーは、不動産オーナーにとってより実務的な内容を話す。万一保有物件で事故が発生した場合の対処法や、亡くなった入居者の残置物およびリフォーム代など、気になる内容を実例も交えて話す。そこにしぶや総和法律事務所の綾部弁護士が法律の視点から解説とアドバイスを行う。現時点で事故物件の部屋を抱えているオーナーや管理を請け負う管理会社には、興味深い内容を話す。
 カチモードの児玉氏は「事故物件と出会う確率はおよそ『3500分の1』。賃貸マンションやアパートを複数棟保有・管理している不動産事業者であれば、いつ発生してもおかしくはありません。対策を知っているかどうかで、資産価値低下を防ぐこともでき、トラブルも抑えることができます」と語った。聴講して損はない。

<週刊不動産経営10/6号掲載>




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