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ヤシマ工業 耐震診断、耐震補強に本格進出 カーボン繊維を利用した構造補強武器に

1995.02.15 10:24

 ヤシマ工業(東京都杉並区、小里洋行社長)では、カーボン繊維による構造補強を柱とした、耐震診断および耐震補強工事に力を入れていく。
 同社は89年のサンフランシスコ大地震をはじめ、昨年のロス大地震など、各地の地震の被害現場にその都度社員を派遣し、データ収集や写真撮影を行ってきた。今回はこれまでの蓄積を活かし、現在関心が急速に高まっているビルの耐震診断や補強業務に乗り出そうというものだ。
 同社の耐震補強工事の中心となるのが「CF(カーボン繊維)シート」。
 このCFシートは、鉄の10倍という高強度と鉄の4分の1の軽量性を併せ持ち、さらに高弾性、高耐久性といった特性を持つ。補強作業は基本的に、補強したいビルの柱や床板にこのシートを巻き付けたり、貼り付けたりするだけだというからいたって施工は簡単。「阪神大震災を見ても、被害が大きかったのは一階が駐車場など、柱以外は空洞となっているビル。鋼板を巻いて補強していたが、それもちぎれてしまっているケースが目立つだけに、より強力な補強材が必要」(山本健司技術営業部課長)。
 施工は短時間で済み、シート上からの塗装も簡単。補強後、重量増加や形状変化が微小なため、基礎への影響も極めて小さいという。




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