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アイカサ 「2030年使い捨て傘ゼロPJ」成果発表 東京メトロ全駅へ設置を拡大
2025.06.23 12:32
傘のシェアリングサービス「アイカサ」を展開するNature Innovation Group(東京都新宿区)は今月11日、「2030年使い捨て傘ゼロプロジェクト」の成果を報告。加えて、東京地下鉄(東京都台東区、以下東京メトロ)「渋谷」駅への設置を皮切りに東京メトロ全駅へ「アイカサ」の提供を拡大する旨を発表した。
「アイカサ」は2018年12月に開始したサービス。レンタル傘にICチップを埋め込むことでアプリ上での決済、在庫管理を実現し、ユーザーは急な雨でも購入することなく出先で傘を使用できる。傘は1本あたり80回程度の使いまわしが可能と資源効率性も高い。使い終わった傘は別のアイカサスポットに返却することができるというユーザー利便性の高さも好評だ。設立以来、駅構内やオフィスビルなどの共用部を中心にアイカサスポットは順調に拡大。12都道府県で1800カ所まで導入が進み、年間8000万本あるといわれている「使い捨て傘」の削減に貢献してきた。
2022年には「2030年使い捨て傘ゼロプロジェクト」を発足。昨年は渋谷区・東急不動産(東京都渋谷区)と連携して「渋谷」駅600m圏内に110か所のアイカサスポットの設置を実現するなど、自治体やパートナー企業との取り組みも強化している。
今回、管理・運営する全駅への設置を発表した東京地下鉄では、これまでに丸ノ内線「後楽園」駅、有楽町線「新木場」駅、銀座線「渋谷」駅の3路線3駅に設置していた。東京メトロ 鉄道本部 鉄道統括部長の川岸康人氏は「雨の日に東京メトロの駅に行けば傘があるという新たな世界観を実現し、東京の街を天候に左右されることなく快適に移動していただくサービスとして提供していきたい」と意気込む。
一方「2030年使い捨て傘ゼロプロジェクト」では、つくばエクスプレスを運行する首都圏新都市鉄道(東京都千代田区)、ビル管理事業を展開する東急コミュニティー(東京都世田谷区)をはじめ5社が新たにパートナー企業として参画。11日に行われた記者説明会では、東京メトロや既存の参画企業とともにオリジナルデザインの傘を披露した。
Nature Innovation Group 代表取締役の丸川照司氏は「当社のプロジェクトは多くの皆様にご協力をいただいている状況です。全国2万5000カ所以上でシェアできることを目指しています」と展望を語った。