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東京・九段で700名参加 住友建設、免震・制震工法の説明会開催
1995.04.01 10:44
住友建設(産本眞作社長)では、3月23日、東京都千代田区の九段会館で、免震、制震構法の説明会を開催した。設計、ゼネコン、ビルオーナーら700名以上が出席した。
阪神大震災以降、地震に対するビルの構造面からの安全性に注目が集まっているが、同社は10年以上前から免震、制震構法の実用化に着手。85年に独自の免震構法を確立したのをはじめ、89年の世界初の中間階免震ビル「アサノビルディング」(愛知県名古屋市)、91年の我が国で最も高い本格免震ビル「MSB南大塚ビルディング」(東京都豊島区)、94年の我が国初の本格制震ビル「テレビ静岡メディアシティビル」(静岡市)など、次々と実績を重ねてきている。
このところ注目されている免震、制震構法は、従来の耐震設計の考え方が、建物の損傷を許容し倒壊を避けるという狙いだったのに対し、建物の揺れそのものを抑制し、建物も中身も共に無損傷で守ろうというもの。
免震構造では建物と地盤の間にクッションの役割を果す免震装置(積層ゴム)を挟み込むことで、およそ5分の1にまで揺れを和らげる。
制震構造はいわばビルの中にクッションを入れて地震や風で建物が揺らぐのを和らげようという技術で、前述のテレビ静岡ビルや新宿に建設中のNTT新宿ビルの場合では、制震壁が使われている。制震壁を使うと通常の4分の1に揺れを抑えられていることが確認されている。
今回の説明会は応募者が多く、4月5日に第2回目を開催することが決まっているとのことで、ビル関係者の同構法への関心の高さがうかがえる。