不動産トピックス

快刀乱麻

1995.06.15 15:48

 「ムーディーズショック」なる言葉が今、経済界でささやかれている。米国の格付け機関、ムーディーズが不良債権負担が特に重くなっている一部の都銀について、格付けをジャンクボンド並に落とす可能性があるという噂がその背景となっている。仮にそうなれば、これらの銀行はこれから先、海外での資金調達が極めて困難になるというものだ。
 今号でも取り上げた通り、ビルにも格付けが登場する時代となった。銀行とビル、一時は隆盛を極めた両社の現在の苦境を現わしているといえるが、こうした事態を招いている一面はその経営の不透明性にもあるのではなかろうか。
 ビルでいえば、一体幾らで貸し、どんな契約が交わされているのか。その実態が皆目わからないところに疑念が生じる。もちろん財布の中身を全てさらけ出すことは出来ない相談だが、「ガラス張りの経営」がなされることが望ましいのではなかろうか。




週刊不動産経営編集部  YouTube