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新興ビジネスエリア 大阪・南港地区 アクセス面の弱さで誘致苦戦

1995.11.15 17:24

 東京都の臨海副都心開発の例にみられるように、全国各地都市周辺部での、開発事業は盛んに行われているが、どのエリアでもテナント誘致に苦戦を強いられているのが現状のようだ。
 中でも、大阪南港地区では、今年地上55階建て延べ床、4万5000坪の超高層ビル、「大阪ワールドトレードセンター(WTC)」が竣工した話題のエリアだ。
 8階から44階がオフィススペースのWTCは、貸会議室フロアーや、パーティ、レセプションも行えるホールも併設されているグレードの高いインテリジェントビル。
 同ビルが建つ南港は、オフィス中心街の難波より、シャトルバスで30分の距離。新交通システム「ミュートラム」も通っているが、立地の不便さは否めない。地下鉄「中央線」の延伸計画もあるが、平成9年竣工予定も、当初の計画より遅れている。こうした交通アクセスの弱さがWTCの稼働率60%に顕れている。現在同ビルのキーテナントは、約3000坪を使用している三井物産。
 その他では、三井不動産、大阪市港湾局などいずれもWTCのオーナーで、自らテナントとして入居しているのが現状だ。
 同ビルの募集価格は、坪、2万1900円。「大阪など中心部のビルと比較した場合、立地からして高めの設定と言えるでしょう」(大手仲介会社幹部)との言葉が聞かれるように、立地に見る交通アクセスのマイナスが苦戦の要因のようだ。




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