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名古屋駅前地区再開発の事業化が決定 名鉄・日本生命・近鉄などが延床25万㎡の駅直結ビルを開発へ

2025.06.02 15:05
名古屋鉄道(名古屋市中村区、名鉄)、名鉄都市開発(名古屋市中村区)、日本生命保険(大阪市中央区)、近畿日本鉄道(大阪市天王寺区)および近鉄不動産(大阪市天王寺区)は5月26日、共同で検討を進めている「名古屋駅地区再開発計画」の事業化を決定したと発表した。着工は2027年度を予定。1期本工事竣工は2033年度、2期本工事竣工は2040年代前半を予定している。
「名古屋駅地区再開発計画」の開発地は名古屋市中村区名駅。「名鉄名古屋」駅および「近鉄名古屋」駅と地下で直結し、現在は名鉄百貨店や近鉄百貨店、「日本生命笹島ビル」などが立つ。
計画は南街区と北街区で構成され、建物全体で敷地面積約3万2700㎡、延床面積約52万㎡。高さは約172mに及ぶ。
南街区のビルは延床面積9万3000㎡で、延床面積約2万7000㎡のホテル、同5万1000㎡、基準階3300㎡のオフィス、同1万5000㎡のバスターミナルとなる予定。
ホテルにはハイアットホテルズコーポレーション(アメリカ・シカゴ)の「アンダーズ 名古屋」が1階、11~12階、25~29階に入居する。客室数約150室、全室50㎡以上で、レストランやルーフトップバー、ラウンジ、宴会場、会議室、フィットネス、屋内プール、スパなどを備える。開業は2034年度を予定している。
北街区は延床面積約14万9000㎡のオフィス、同9万5000㎡の商業施設、同2万5000㎡の鉄道駅で構成する。
商業施設は「感動とワクワク、癒しにあふれ、時代のトレンドに応じた可変性と当地ならではの地域性を兼ね備えた、歩いて楽しい商業施設」を目指し、エンターテイメント性に富んだ集客施設の導入も計画する。
オフィスの基準階面積は約6000㎡に及び、1フロアの貸室面積は全国最大級となる。駅直結の好立地に、多様な働き方やテナントニーズに対応したハイグレードSクラスオフィスを供給する。
鉄道駅は「名鉄名古屋」駅を4線に拡張。空港へのアクセス利便性向上に寄与するとともに、案内設備、駅務機器、内装などに最新技術を取り入れ国際レベルのターミナル駅としての機能・装いを備える形で再整備する。
また、駅の整備とともに地域交通拠点を形成。空飛ぶクルマなどの次世代モビリティにも対応したスーパーモビリティハブ機能の整備や、高速路線バスの一元的な集約に対応するバスターミナルを設ける。
さらに、地下1階~2階には南北歩行者ネットワークを用意。敷地内には屋上広場や屋外テラス、建物内各所に快適なシーティングスペースを配置するなど多彩な滞留空間を創出する。
計画はリニア関連プロジェクトと整合させながら進めるもので、名駅南地区やささしまライブ、栄をはじめとする都心部に賑わいを広げる共同開発を目指す。