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「渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期」着工 100年に一度の大規模再開発 渋谷駅街区計画が最終章へ

2025.05.19 11:53
東急(東京都渋谷区)、東日本旅客鉄道(東京都渋谷区、JR東日本)、東京地下鉄(東京都台東区)は6日、「渋谷駅街区計画」の「渋谷スクランブルスクエア第2.期(中央棟・西棟)」工事を今月中に着工すると発表した。工期は2025年度~2031年度を予定している。
「渋谷駅街区計画」は、「渋谷スクランブルスクエア」の開発のほか、「渋谷」駅改良、「ハチ公広場」や「東口広場」といった広場の再整備などを同時並行で進める大規模再開発で、全体の完成は2034年度を予定している。
「渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期(中央棟・西棟)」は合計延床面積約9万5000㎡で、地上10階地下2階の中央棟と地上13階地下4階の西棟を同時に開発する。
商業フロアは完成済みの東棟と併せて1フロアあたりの売場面積が最大約6000㎡。また中央棟の10階屋上に各国大使館などと連携したグローバルな文化交流体験を提供する施設「10階パビリオン(仮称)」を整備する。
中央棟4階には最先端技術を活用したコンテンツを体感できる施設「4階パビリオン(仮称)」および中央棟4階と「ハチ公広場」をつなぐ歩行者ネットワーク向上のための縦軸移動空間「アーバン・コア」を整備。「4階パビリオン(仮称)」は最先端技術を活用したコンテンツを体感できる施設で、デザインは隈研吾建築都市設計事務所(東京都港区)が担当。
東京メトロ銀座線「渋谷」駅ホーム直上には空中回廊として機能する「4階東口スカイウェイ(仮称)」を整備し、「渋谷スクランブルスクエア」中央棟と接続。西棟の前面には約3000㎡の歩行者デッキ「西口3階上空施設(仮称)」を整備して、JRおよび銀座線「渋谷」駅の3階改札と渋谷中央街方面、桜丘方面をつなぐとともに、「渋谷スクランブルスクエア」西棟とも接続する。
地上レベルではJRハチ公改札前に最大幅員22mの自由通路を整備。JR南改札前にも最大幅員23mの自由通路を整備し、東側の宮益坂方面、西側の道玄坂方面へのアクセス性を向上させる。通路の完成予定は2030年度となっている。
駅周辺には前述の「ハチ公広場」と「東口地上広場」のほか、JR線路上空に「中央棟4階広場(仮称)」、「西口3階上空施設(仮称)」、「中央棟10階広場(仮称)」の5つの広場、合計約2万㎡を整備。非常時の一時避難場所としての機能も備える。完成は2034年度を予定。
東急、JR東日本、東京地下鉄の3社では今回の着工を、渋谷における「100年に一度」の大規模再開発の最終章と位置づける。駅とまちが一体となった都市再生に関するモデル的プロジェクトとして駅前空間の整備を進め、世界中から常に注目を集める渋谷の核となることを目指して、引き続き自治体・地元・事業者が連携して事業を推進し、渋谷のまちの成長に貢献していく構えを示している。