不動産トピックス

快刀乱麻

1996.01.15 16:23

■未曾有の被害をもたらした阪神大震災から、ちょうど一年が経過した。各メディアでは、連日災害当時のようすや、被災者達のその後についてのレポートをしていたが、その悲惨さには改めて、胸が痛くなる思いだ。しかしその一方、復興需要に期待をよさている人々が、多くいることも事実だろう。震災当時、大手ゼネコン各社では、延べ数千人単位の増員を図り、復旧作業を行ったという。職業柄、当然の姿ではあるが、その背景には、復興建築物の受注獲得競争が絡んでいるのは言う迄も無い。また、先の震災で被害が大きかった建築物には、確認申請通りの施工がなされていなかったビルも多かったと聞く。そこで忘れてはならないのが、ビル建築も、その後の経営も、使うテナントが存在して始めて成り立つ、サービス業であると言う事だ。これまでのようなユーザー無視、利回り採算重視のビルでは、立ちゆかない時代に来ていることは、まぎれもなく真実。くれぐれも、同じ愚考を繰り返す事のないよう願いたい。




週刊不動産経営編集部  YouTube