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千代田生命が広尾プロジェクト具体化 市況回復を睨んだ空調ハイテク設備 水道・高熱料金等の自動計算システムを完備

1996.08.15 11:10

 千代田生命では自社所有地の有効活用を図る目的から、広尾研修センター跡地に「恵比寿プライムスクエア」を建設する。市況回復を睨んでインフラ整備の進んだ最新鋭を備える大規模プロジェクトの概要を報告する。
 千代田生命は、同社所有の広尾研修センター跡地建て替え計画「恵比寿プライムスクエア」の具体策を発表した。
 敷地は、JR、地下鉄恵比寿駅から徒歩5分の旧福沢桃介の屋敷跡を中心とした1万3057平米。この敷地内に、22階建てのオフィス棟、13階建てと7階建てのレジデンス棟、2階建ての商業棟合わせて総延床面積6万8995平米の建築が予定されている。
 オフィス棟は、働く人を中心として考えた利便性と快適性を追及した最先端の設備を整えている。
 増大するOA機器やワークステーション化で多量化が求められている電気容量は、45VA/㎡を標準としている。天井高は2.6メートルに、OAフロア用に70ミリのスペースを確保している。
 ワンフロアの有効執務スペースは300坪を無柱空間として確保。さらに、3.6メートルのモジュールにより、容易に間切りのできる仕組みである。さらに準センターコア方式により、三方の全面を空としてレイアウトできる。
 パーソナル空調システム等の管理には、施工の大成建設の「ユーザー・オペレーション・システム」を採用した。
 このシステムにより、テナント側はオフィス内に設置されたパソコン端末を使って、空調運転、温度変更、メール、降雨情報の受信ができる。防災センター内におかれた運用端末において、これらをサポートするためのデータ設定、送信を行う。また、これらのあらかじめ設定されたデータを基に、水、光熱料金などを自動的に計算できるようになっている。
 不動産部内に新たに設置された広尾プロジェクト担当セクションの茂木秀樹部では、「従来のビルではオーナー企業が自らメンテナンス部門に力を入れることが少なかったようだが、今回はテナントニーズをできるだけ取り入れて、円滑な管理運営に当たる方針」と語る。同社ではこのノウハウを次回のビル管理に役立てていきたい方針である。




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