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オーナーの疑問・難問解決マニュアル 共益費などのクレームに対しては詳細な事前契約書作成が鍵
1996.09.15 10:39
カルチェカガン(東京都中央区・河岸建吉社長)では、「月々1万円で家賃交渉、退去引き留めから、契約書作成、管理コストの見直しなど、ビル経営のあらゆる問題、悩みに応える」、電話相談サービスを行っている。こうしたサービスを提供している同社には、毎日色々な相談事が持ち込まれる訳だが、最近増えているのが、テナント側からの管理費に対するクレームなど。例えば、一例を挙げると、最近引越して来たテナントから、以前のビルに比べて電気代や、水道代が高いと言う苦情。「多くの中小のビルオーナーは、共益費は賃料の一部と考えている事が、多いようです。その為、テナント側の共益費は光熱費にかかる実費との感覚とで相互間にズレが生じるのです」(河岸社長)。こうしたトラブルを、事前に回避するためには、契約書に、細かく特約条項を設けておく事が大切と河岸社長は話す。水道代などは、ビルに引く管の口径の太さなどにより、基本料金が違う。また、電気の共用メーターが無いビルでは、テナントの専有面積の割り合いで、全体使用料を、単純に配分しているケースもあり、こうした場合、前のビルに比べ、水道料金や、電気使用料金は違ってくるのは当たり前。こうしたトラブルを防ぐのが詳細な賃貸借契約書の作成だ。当ビルでは、共益費について、こうした計算式を用いて、費用を導き出し、テナント側に負担してもらうと明記する事で、こうしたクレームは、ほとんど無くなる。つまりテナント側に事前に納得させる事で、トラブルの原因となる不信感の芽を摘むこのがコツだ。