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ダイエーグループ 不動産M&Aでカネボウビルを取得 買収額は120億から130億円程度に
1996.11.15 11:29
ダイエー(本社神戸市中央区)グループが、カネボウファッションセンターを買収することが明らかになった。ダイエーが実質的なオーナーとなるカネボウビルは、地上8階、延床面積約1700坪。敷地面積210坪弱。同ビルは銀座3丁目にあり、鐘紡不動産の子会社、カネボウファッションセンターがビルを所有している。これまでは、カネボウファッション館として、同社グループが店舗などに利用しており、いわば銀座の顔として運営されていたもの。今回ダイエー側では、ビルそのものを取得するのでは無く、カネボウの子会社を買収する事で、ビルのオーナーとして、今後経営にあたることになる。カネボウの子会社を買収するのは、ダイエーグループの八千代センター開発で、買収額は「120億円からプラスマイナス15億円程度の範囲で落ち着くと思います」(ダイエー社長室副室長・矢島明氏)。
同社のビル取得後の運営については、来年の2月に正式な契約が結ばれる為、それに合わせて今後検討がなされる。
「当社としては、銀座と言う超一等地にふさわしい、フラッグシップとなるビルの使い途を検討しています。その一つには、映画のキャラクターグッズを扱う店舗展開も考えられます。また銀座界隈には、当社のグループ会社も多数点在しており、こうした会社の核となる場所として、使用する方法もあります」(矢島副室長)。
仲介会社によれば、建物と土地を合わせた金額は、100億円から110億円程度との事。今回の場合は、株式売買であるから、単純にビルの実勢価格との比較は出来ないが、不動産M&Aの形になった、ビル売買劇は、今後業績好調企業のビル取得のトレンドになりそうな様相だ。