不動産トピックス

クローズアップ 花粉対策編

2008.01.21 10:48

 人の移動するところならば、どんな場所にでも付いて来てしまう花粉。花粉症は今や国民病であるとさえいわれ、悩む人が多いことで知られている。今回はオフィスで働くスタッフの労働環境を保つためにも重要であるとされる花粉対策に注目。空気清浄にも有用で特色のある花粉対策製品を集めた。

創研 バイオレメディエーションにより開発 有用微生物を利用「生きている液剤」
 分解する性質を持つ細菌を有効活用し、汚染された環境を修復することをバイオレメディエーションという。創研(東京都杉並区)が開発、販売施工する「スメルキャッチ」は、このバイオレメディエーションという方法に基づき開発された、微生物を利用した消臭剤である。
 液剤の中には、1mlあたり約100万個の有用微生物が含まれ、生ゴミやペットなどの有機物による悪臭に効果を発揮。また、同じく液剤内に含まれるアミノ酸基化合物がハウスダストや花粉を吸着し、舞い上がるのを抑制する。
 病院などで細菌を研究している理学博士である三浦氏は「有機物のにおいは、有機物でしか消すことはできません。においを被せることでごまかすことは可能ですが、根本から取り去るには有効とは言い切れません」と語る。
 この「スメルキャッチ」は´生きている消臭剤‘と呼ばれる。液体内の有用微生物である枯草菌は、空中に散布されると活性条件が満たされ、増殖する。そのため、微生物が増殖を続ける間の数十日は効果が継続するのである。
 また、ペットにも無害で機械などを痛めないため、加湿器に入れて噴霧することが可能。その場合には1日に2回の噴霧で、1シーズンに5の使用がおおよその目安となる。希望小売価格は300で1890円、特用サイズ5で2万4150円。

ブレスト 見落としやすい給気口から侵入する物質に対抗 きっかけは子供アレルギー対策
 ブレスト(東京都港区)が開発した「エリア」は、マンションや住宅等に設置されている給気口に被せて使用するフィルターである。使用方法は、通気口に貼り付けるだけという手軽さだ。サイズは3タイプあり、各社の規格に応じて選択することが可能である。
 「エリア」の特長である3層の特殊フィルターが汚れをキャッチし、内部のフィルターが黒くなって表面に貼られた白い三角形が浮き出て見えたら交換時期。目詰まりがないかわざわざケースのカバーを開けて確認する必要がない。
 「エリア」開発のきっかけは、高木氏の子供のアレルギー対策。密閉性の高い部屋で給気口を閉めたため、ドアが開かず困ったという。
 「部屋の中が排気ガスで黒ずむのを嫌い、給気口を閉めている部屋は良く見られます。しかし、そのままだと室内の空気が澱んだり、密閉性が高いために換気扇を回すとドアが勢い良く閉まるなどという弊害が出てくるのです」(高木氏)
 なお、フィルターは通常のものと吸着したアレルギー物質を無害化する特殊機能を持った「無害化フィルター」の2種類から選択可能。「無害化フィルター」は、取り外す際にフィルターが吸着した花粉によるクシャミなどを気にしなくても良いというメリットがある。希望小売価格は2625円。原油高騰に伴い、2月1日から本体のみ2887円に値上げ予定。

グラスアシスト 窓ガラスに塗布して花粉を分解 光触媒が空気を清潔に 塗布面清浄化の効果も
 グラスアシスト(東京都中野区)が販売、施工する「エアープロット」は、花粉対策ガラスコーティング剤である。この製品は紫外線を利用する光触媒効果により、花粉やハウスダスト及び揮発性化学物質といった有害物質を分解・除去するというもの。
 室内で紫外線を最も良く浴びる窓ガラスに塗布するため、触媒作用面積が広く、塗布面自体も清潔に保たれる。そのため、メンテナンスは水ぶきをしてほこりを取るだけという手軽さだ。但し、強酸を使用した洗剤でふき取るとコーティング剤もはがれてしまうため、注意が必要。
 一方、コーティング面には細菌やカビなどの繁殖を阻止する抗菌作用もあるため、空気を清浄する効果も期待できる。加えて、においのもととなる有機物を分解。汗などの刺激臭などを解消する。
 「エアープロットは個人向けにDIYのキットも販売していますが、ビルなどの大型建築物においては責任施工体制で行っています。機械のようなランニングコストもかかりませんし、メンテナンスも簡単ですので、相対的に安価で導入が可能なのが特長です」(小坂氏)
 自分で塗布が可能な「セルフキット」は約7㎡分2万3000円と約20㎡分5万2500円の2種類。スタッフによる施工は材工1万8000円(約3㎡〜)から。

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