不動産トピックス

今週の一冊

2021.07.12 10:17

良質な営業マンが大切

99%失敗しない、不動産投資のはじめ方
著者:山本 尚宏
発行日:2020年10月11日
  発行:クロスメディア・パブリッシング
価格:1480円(税別)

 「不動産投資業界の健全化に貢献しよう」(おわりに)という想いが背景にある一冊は巻末に「厳選した12社」を紹介している。高いレベルで事業継続させ実績のある会社という選択基準だが某社紹介ページで「東証一部上場の信用力」云々とあり、さて。 「一部上場企業だから大丈夫」という甘い認識ならそもそも不動産投資には向いてないと思うが、そこは「一般の会社員に最も適しているのが不動産投資」(はじめに)だそうだ。つまり本書は投資初心者向の入門編。参考文献には他の類似不動産投資指南本を約10冊挙げている。同類書籍を参考に書かれた本書は、「初めに気を付けるべきこと」の説得力が確かだ。
 「初心者のときは『そんなものなのかな』と思ってしまいがちだが必ず販売側に家賃設定などの根拠を確認」など、うっかり見過ごししがちなポイントの確認に便利。残念ながらコロナ禍の影響はわずか数行の言及だ。コラムは一転、なかなか読み応えがある。「日本の不動産業界は、『自分たちしか不動産データを持っていない』と思い込んでいる」、レインズは自社が損するデータは登録せず意味がない、なぜ日米で差が付いたか、データがなかったから等、鋭さが際立つコラムは一読の価値あり。




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