不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2022.10.03 10:41

ベッセルホテル開発 コワーキングスペースとして活用スタート 「ベッセルホテル」15店舗で
 ベッセルホテル開発(広島県福山市)は、全国47都道府県に約750店舗のコワーキングスペースを展開するいいオフィス(東京都港区)と提携、「いいオフィス by ベッセルホテル」として15店舗をオープンした。
 新型コロナウイルス感染拡大や政府が推進する働き方改革でテレワークが急速に拡大。テレワーク時の働く場所として、快適なオフィス空間を提供するコワーキングスペースやサテライトオフィスの需要が高まっている。
 また、政府は2022年7月に観光戦略実行推進会議で、ワーケーションを「新たな旅のスタイル」とする政府方針を発表。働く場所が多様化したことによって、「ワーケーション」や「プレジャー」という新しい働き方も徐々に浸透し、宿泊施設がコワーキングスペースや、サテライトオフィスを開設する動きが加速している。
 こうした背景から、拡大するテレワークやワーケーション需要に対応することを目的に、「ベッセルホテルズ」は2020年から、コワーキングスペース事業を各ホテルで順次スタートさせている。
 コワーキングスペースの特徴の一つが、最寄駅からのアクセスや車の出入りが良いスムーズな立地環境。出張時のテレワークやワーケーションなど、働く場所として利用可能。また、電源・高速wi-fi完備はもちろん、フリードリンクでひと息つきながら、仕事や勉強に打ち込むことができる。
   「集中ゾーン」と「会話ゾーン」を分けた店舗や漫画1万冊が読み放題の店舗など、店舗ごとに特徴あるサービスも提供する。
 ベッセルホテル開発は、「あなたと家族と街を愛する」をコンセプトに全国でホテルを展開するホテルグループ。同社は「ベッセルホテル」、「ベッセルイン」、「ベッセルホテルカンパーナ」「レフ by ベッセルホテルズ」「レクー」などのホテルブランドを展開している。
  同社は大手企業との協業により、出店を増やしてきた。同社含めたベッセルグループは100年近くの歴史があるが、もともと広島県福山市のいち地方企業のため、全国展開していくためには、パートナー企業との協業が不可欠だった。ここ数年、地道な営業と実績を高めたことで、今ではゼネコン・不動産会社・鉄道会社・投資ファンドなどとのパイプが固まり、優良な土地の情報が入手できるようになったという。

”次世代型スマートホテル”出店 台湾チェーンが和歌山に初進出
 台湾でスマートホテル「CHECK inn HOTEL」などを展開するホテルチェーンDunqian Intelligent Technology CO.(本社・台湾)は、9月1日和歌山県と進出協定を締結した。
 和歌山県との連携により、台湾で主流になりつつある「次世代型ホテル」のスマートな宿泊スタイルの日本展開を加速させたいという。今回の協定で日本初進出となるDUNQIANは“ホテルの無人化”のノウハウを武器に、地域の企業と協力して、共にWin―Winの関係構築を目指す。
 スマートフォンの普及によって、より最適化されたサービスの提供が可能になった。チェックイン、チェックアウトの自動化やAI機能を取り入れたコンシェルジュサービスなど、ホテルの「スマート化」は、近年日本の旅行業界で注目されているテーマだ。DUNQIANは台湾でのスマートホテル展開の経験を活かし、新しい宿泊体験の提供を目指し、“ポストコロナ時代”の旅行市場に大きな期待を寄せている。 
 宿泊スタイルが多様化する中、DUNQIANの技術と経験を活かし、より良い宿泊体験を提供する。予約から宿泊までの一連の体験をよりシームレスにし、世界中のユーザーとより良いコミュニケーションをとり、スマート宿泊の普及を目指していく。
 UNQIANが作り出すスマートホテルのコンセプトは「テクノロジーの力で、パーソナライズされたサービスを提供し、旅行の在り方を再定義する」。その場所にあったスマートホテルを作り出すことで、旅行客に多様な宿泊体験を提供することを可能にする。
 同社は現在、台湾で11ブランド、43軒のホテルを展開しており、客室数は3200室を超える。ファミリー向けのリゾートホテル、ビジネスホテル、スマートホテル、シティホテル、デザインホテルやホステルなど、様々な地域で特徴が異なった宿泊体験を提供している。

アズー 宿泊DXをサポート
 宿泊業DXを行うAZOO(アズー 京都府京都市)は、ホテルのセールス・マーケティングをテクノロジーと専門人材で支援する新サービス「HotelDX」をスタートさせた。
 テクノロジーの活用によるオンライン上での販売促進、直販UPへ向けたマーケティングやセールス施策の実施は宿泊業DXを推進する上で、必須の施策となっている。しかし、多くのホテル・旅館では専門人材不足により、こうした施策を自力では行えないという課題を抱えている。
   そこで、同社ではホテルのセールス・マーケティングをテクノロジーと専門人材で支援する新サービス「HotelDX」をスタート。直販アップへのWEBサイト改善からホテルシステム導入、デジタルマーケティングまで、特に宿泊業の売上向上へ寄与するセールス・マーケティングに特化した統合コンサルティングで宿泊業DXをサポートする。
 同サービスでは、専門人材によるコンサルティングとテクノロジー導入という2軸から、ホテルのマーケティング・セールス向上へ支援を行う。例えば、欧米ラグジュアリーホテルをはじめホテルでのセールス・マーケティングおよびレベニューマネージャーとしての経験を10年以上積んだシニアホテルコンサルタントによるコンサルティングを実施する。
 また、現状の販売戦略やレベニューマネージメントを見直し、改善点を提案するとともに、直販UPへ向けたデジタルマーケティング戦略と施策の立案を支援する。

ナインアワーズ 宿泊者の睡眠データを分析
 カプセルホテル「ナインアワーズ」を全国14店舗、その他ホテル5店舗を運営するナインアワーズ(東京都千代田区)は、睡眠解析サービス「9h sleep fitscan」の提供店舗を拡大。睡眠解析をより身近にするとともに、月間ベースで1万件以上の睡眠データの解析を実現。
 睡眠に関する多くのデータがあれば、疾病メカニズムや治療方法の研究は大きく進むと言われており、同社は睡眠ビッグデータを構築することで、疾病の早期発見の一助としていく。
 また同社は、ヤマハ発動機と共同開発した新型カプセル「9h sleep dock」の運用を「ナインアワーズ 大手町」で開始する。これまでロールカーテンで閉じていたカプセルの入り口部分を、防音性能に優れたハッチ型に新たに設計。一般的なカプセルホテルとは一線を画した静音空間を提供し、快適な睡眠を促す。
 睡眠解析サービス「9h sleep fitscan」は、カプセルの形状を活かし、宿泊中の睡眠データを赤外線カメラ・集音マイク・体動センサーで収集し、解析するもの。これまで累計1万件以上の睡眠データを解析し、宿泊客の睡眠の質(いびき、呼吸状態、心拍など)を睡眠レポートの形式で配信している。
 今回、サービスの提供店舗を2店舗から4店舗に拡大し、睡眠解析をより身近にするとともに、月間ベースで1万件以上の睡眠データの解析を進める。
 同サービスは、昨年12月のサービス開始から1万人以上の宿泊客の利用実績を持つ。同サービスの利用価値をさらに高めるため、9月1日より睡眠解析の内容をバージョンアップした睡眠レポートを提供する。
 
アゴーラブランド東京4軒目
 アゴーラ ホスピタリティーズ(東京都港区)は、スカイホスピタリティー合同会社と、東京の新しい下町をコンセプトとする次世代型ホテル「ONE@Tokyo」(東京都墨田区)の運営受託契約(マネジメントコントラクト)を締結、アゴーラ ホテル アライアンスの傘下として運営する。
 同ホテルは、敷地面積約728・3㎡、延床面積約3741・1㎡、地上10階建て、客室数は全142室(スタンダードセミダブル78室、スーペリアーセミダブル40室、デラックス21室、スイート2室、ユニバーサル1室)。
 アゴーラ ホテル アライアンスとしては東京で4軒目になる同ホテルは、東京スカイツリーで有名な押上駅より徒歩3分にある。下町の趣を残しながらも、観光都市と自然が調和した街並みで、東京観光の代表的スポットである東京スカイツリーにも徒歩圏内と、ビジネス・レジャーともに便利なエリア。
 外観やインテリアのデザイン監修は、世界的に著名な建築家・隈研吾氏によるもの。かつて下町の工業地帯だった土地に、伝統的な木組みと工業的なイメージを融合させ、このエリアにふさわしいコントラストを表現している。個性と柔軟で効率的なスタイルとして、地域社会の生活や文化を受け入れ、コミュニティーの創出を目指し、次世代型の快適な空間を提供する。
 同社は、地域に貢献できる「街の自慢」となるホテル、旅館の創出を目指し、全国で10施設、客室数1232室を展開している。

大江戸温泉 コロナ対策強化 キャンセル料免除
 全国で35の温泉宿を展開する大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ(東京都中央区)は、温泉宿の宿泊予約に関し、新型コロナウイルス感染拡大防止を理由とする場合に限り、キャンセル料金免除の措置を講じた。
 全国各地の自治体から相次いで発表された「地方自治体キャンペーン」を受け、同社でも様々なキャンペーンを展開しているが、せっかく予約したものの、直前になって取り止めになった場合のキャンセル料を考えると、キャンペーンの活用に踏み出せない、といった声、マーケットのニーズを考慮し、今回の措置をおこなうことになったもの。
 なお、事前決済の予約や、交通機関付の宿泊プランなど、予約サイト経由の一部のプラン及び旅行代理店経由の予約については、理由に関わらず所定のキャンセル料規程でキャンセル料が発生するなど各種規定は設けられている。

PAGE TOPへ