不動産トピックス

クローズアップ 防災非常用品編

2021.11.15 10:28

 防災用品はあらゆる非常時を想定して備えておきたいものだ。様々な製品が出そろった感があるが、一製品で複数の利用方法があるもの、コンパクトに改良されたものなど、進化し続けている防災用品をご紹介。

防災分野で開発力有す三和商事 3wayマットタンカは販売数1000台目指す
 一つのマットで寝る時のマット、けが人などを搬送するときの担架、避難所などで必要なついたての役割を果たす「3wayマットタンカ」は、三和製作所(東京都江戸川区)が開発した人気商品。半年間かけて開発した幅74cm×180cmのマットは滑り止め機能に固定ベルトもあり、また持ち手が16カ所ついており、階段や坂道などでも多人数でケガ人を安全に運ぶことができる。さらに横長にしてジャバラ状にすればついたてにもなる。
 開発の背景についてグループ会社の三和商事広報担当の大西紀子氏は、「消防署で心肺蘇生訓練を行う際に、ひざなどを保護するマットを使用していると聞き、マットの開発からはじまりました。心臓マッサージを行う際にアスファルトで施術者が膝をケガをしないよう、更に担架とマットを一緒にするアイデアができました。安定させるために底には滑り止め素材を使っています。心肺蘇生で必要な担架機能とマット機能、立てると衝立にもなります。お客様からの声でベルトを追加し、更に担架で運ぶ際に手が痛いという意見を頂き取っ手のカバーも追加しました」と語る。販売数1000台を目指すという。「コンパクトでスペースを取らないため備蓄として最適」、「マンションやビルなどの狭い踊り場でも搬送が可能なため、有事を考えた際の迅速な対応ができる」など、顧客からは好評だ。
 また同社では今月1日より「浮くリュック ビートレスキュー」も販売開始した。災害時に必要とされる工具がセットされており、ケース内部には浮力材を搭載。「震災などの被災時になくてはならない『レスキューツール』が浸水などにより沈んでしまい『見つけられない=使うことができない状態』にしない、つまり『沈まないレスキューツールセット』にするということにあります」(大西氏)。
 重い工具セットを中に入れても水没せず、また救助用の浮き輪にもなる。ビルオーナー必携品として検討してはどうか。

プロユースにも耐える折りたたみ型防災用ヘルメット
 DICプラスチック(さいたま市大宮区)は、防災の様々なシーンで活用できるヘルメット「IZANO(イザノ) 2」を販売している。  IZANO従来品の折りたたみ時の厚み82mmから63mmへ、マイナス19mm(23%)薄く進化。墜落時保護規格の折りたたみ型ヘルメットで業界最薄を実現。
 通常の産業用ヘルメットと同様の「内装部品の交換」を実現。汗や汚れが気になった際の内装交換が可能になった。
 新設計の内装により、頭位サイズ47cm~62cmをカバー。着用対象者層の拡大を実現。
 カラーはホワイト、オレンジ、グリーン、ブルー、イエロー、ホワイト/オレンジライン、オレンジ/ホワイトライン、ホワイト/ブルーライン、グレー/ホワイトラインの全9色。

ヤマトプロテック 「人体に安全な」消火システム展開
 ヤマトプロテック(東京都港区)は、消防法の規定におけるガス系消火設備に代わる人体に害を及ぼさない安全でコンパクトな消火システム「K/SMOKE GAS」(ケースモークガス 特許出願中)を販売している。
 同製品は、火災時の急速な燃焼を断ち切り素早く消火するカリウムを主成分とした人体に害のない薬剤を使用した消火システム。火災を自動的に感知し煙状の消火薬剤が放出され、無人で瞬時に消火する。  今回、同社の既存製品であるエアロゾル消火装置「K/SMOKE」をさらに進化させ、防護空間の拡大に成功。商業施設の機械式駐車場や、オフィスのサーバールーム/電気室などの消火設備に使用できる設計仕様を実現した。
 現在消火設備には、消防法で定められたガス系消火設備が多く使用されている。しかし、これらは人体に有害なガスを発生させるため、昨今痛ましい事故を多数引き起こしている。同製品はそうした有害ガスが発生しないだけでなく、地球温暖化係数・オゾン破壊係数もゼロで地球環境保護にも貢献できる。
 今回誕生した人体に害のない同製品は薬剤を煙状で放出し消火するため、これらの危険なガス系消火設備に代わり火災から多くの命と財産を守ることが期待できる。さらに設備自体も従来のガス系消火設備に比べて非常にコンパクトな設計のため、設備にかかるスペースが圧倒的に少なく、施工や維持管理が容易になる。

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