不動産トピックス

第23回不動産ソリューションフェア 注目の出展企業・セミナー紹介【森ビル】

2021.09.13 10:48

 いよいよ「不動産ソリューションフェア」開催週を迎えた。会場は感染予防対策を徹底し、万全の体制で来場者を迎える。コロナ禍の不動産業界にあって、今後の発展に資する新しい技術や発想が次々と生まれている。本イベントでは出展企業によるブース展示、専門家が登壇するセミナー・パネルディスカッションを通じて、不動産業界関係者すべてに新たな価値を提供する。

【ブース出展】森ビル society5.0時代の情報ツールを紹介 ブースでは火災時初動訓練VRシミュレーターの体験も

 コロナ禍でリモートワーク等のICT技術を用いた働き方が注目されるようになった。ビジネスの内容も変化しSociety5・0といった新しい社会の到来も語られ始め、働く場を提供するディベロッパーとしても注目している。
 Society5・0(超スマート社会)以前には、Society4・0(情報社会)Society3・0(工業社会)Society2・0(農耕社会)Society1・0(狩猟社会)が存在している。私が社会人になった1984年は、Society3・0からSociety4・0に変化している時代であった。
 同世代の方達は記憶にあると思うが、職場の机の上には情報伝達のツールは固定電話しかなく、携帯電話もPCも存在しなかった。現在から考えると信じられない環境で仕事をしてきたものだと思う。インターネットが発達したSociety4・0時代にオフィス賃貸業は大きく発展したが、Society5・0時代のビジネスはどうなるのか大変関心がある。そして、今回の森ビルの展示ではSociety5・0時代の情報ツールをテーマにした展示を行う。
 不動産業界における重要な情報ツールのひとつには地図がある。Society3・0時代、白地図、住宅地図、都市計画図、航空写真の全てが紙だった。紙上に用途を記載するために色鉛筆で塗りつぶしたりしていたが、綺麗な線を描ける社員が評価されるといった現在の若手が聞いたら噴飯するような時代であった。Society4・0時代に入ってPCが職場に普及しても、業務で扱える地図ソフトはまだ少なかったが、Google MapやGoogle Earthの出現で地図情報が流通するようになった。プロダクトとしての地図がサービスとしてデジタルの世界で展開できるようになり、プレゼンテーションでの活用の可能性が期待されたが、デジタル情報をモニターで再現するには限界があったり、利用法が制限されたりと弱点もあった。
 森ビルの都市模型もこの端境期に生まれている。都市模型が現在でもプレゼンテーションに活用されている背景には、「感動」を提供するにはデジタルには限界があるということがある。
 2010年代になるとそういった背景から、表現力よりオープン化・標準化が進められるようになる。CityGMLはデジタル時代の地図として生まれた。
 2020年4月から我が国では、CityGMLデータを利用した国土交通省主導のProject PLATEAUが始まっている。昨年度森ビルはProject PLATEAUの中のユースケース開発として、コロナ禍においても「三密」を避けてオンラインで実施できる防災訓練というテーマでVRを制作し実証実験を行った。大勢が集まる防災訓練は実施しにくくなっていることから、代替手段として注目されている。
 また、ビル管理者側の防災訓練ツールとして9月1日防災の日に発表したばかりの「火災時初動訓練VRシミュレーター」も体験できる。
 Society5・0は、今回展示するVRのように3D地図上で「コト」を起こせるようになる時代だ。
 これがこれからの不動産業界のデジタルツインになると私は考える。
 今回の不動産ソリューションフェアでは、Society5・0時代の私達の業界にとって大切な地図について展示するので、お越しの際には立ち寄りいただきたい。

<用語解説>
Society5.0…日本が提唱する未来社会のコンセプト。サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、新たな未来社会のこと。
CityGML…3D都市モデル。フィジカル空間(現実空間)の都市をサイバー空間(仮想空間)に再現した3次元の地理空間データのこと。
Project PLATEAU…国土交通省が主導する、日本全国の3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化プロジェクト。

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