不動産トピックス

クローズアップ 照明編

2021.03.01 10:40

 照明は本来、室内を照らせば十分とはいえ、有用な機能が付加されていれば検討する価値はあろう。さて最近はどのような照明があるのか。人感センサー付で自動的にスイッチが入る、光線を加減する、なかには抗菌・除菌機能付きの製品もある。注目の製品を探る。

光触媒と銀イオン 照明で除菌・消臭効果
 「アイセーブ抗菌CCFL照明」は、2015年頃より開発がスタートし、2019年2月に販売開始。光触媒と銀イオンのダブルパワーにより、除菌・消臭・防カビの効果が認められている。更に昨年12月には、奈良県立医科大学医学部微生物感染症学講座により、本製品の電球表面の光触媒と光源は新型コロナウイルスを不活化することが確認された。電球を通して照らし続けることにより、「物質の表面についた新型コロナウイルスによる接触感染防止に有効である可能性が考えられた」(同大学受託研究報告書)という。
 電球表面を覆う酸化チタンによる光触媒の効果は、照明が点灯する限り継続する。また、ナノシルバー(銀微粒子)により有害菌の殺菌作用もある。
 販売する日昇緑化研究所(東京都昭島市)代表の本庄祐一氏は、「コロナをきっかけに、抗菌照明の知名度をあげて、照明=LEDではなく、照明を選定する際に、抗菌照明を同じ土俵にあげてもらえるようにしたいと思っています。以前は省エネ照明として紹介する事が多く、抗菌性等はプラスアルファの性能としてしか感じていただけませんでした。コロナ前に営業しました大手データセンターの方にコロナウイルス不活化の試験報告書をお送りした結果、新しく計画中の施設の照明として抗菌照明を提案していただいたと連絡をいただきました。賃貸物件でも抗菌照明を使う事でその空間が他の空間と差別化になると思っています。テレワークが広がっても人が常駐する必要のある場所は残ります。その様なお客様にご紹介してご採用いただける様がんばりたいと思っています。当社としては、コロナ対策製品を扱いたくて抗菌照明を販売しているのではありません。抗菌照明が良い物だと思い販売していたらコロナで興味を持っていただく方が増えたのです。抗菌照明は、他のコロナ対策製品と違い、どの部屋でも普通に照明として使うだけで効果を得られる物です。コロナ対策だけなく、コロナが収束しても照明として使っていただけ、省エネ照明としても価値があります。この様なコロナ対策製品は他にないと思っています」と語る。
 蛍光灯タイプ、電球タイプ、ダウンライト型があり、様々な形態の施設で設置しやすい。既に鉄道車両やビジネスホテルでも導入されている。照明をつけているだけで空気清浄機能まで期待できる。感染症対策に万全を期すためにも検討の価値あり。

人感センサーで感知 自動的にON/OFF
 キャプテンインダストリーズ(東京都江戸川区)は、個性的デザインの次世代スマート照明「YARA(ヤラ)」を販売している。
 同製品は、温度・空気・ノイズ・人感と4つのデジタル環境センサーを搭載し各種データを瞬時に分析、置いた場所に最適な灯りを提供する。上面に天井を照らす間接光パネルと下面にデスク側を照らす直接光パネルがあり、わずかな非対称の出力差で灯りを生成。そこに強弱10種以上の光束量と2700~6500Kのカラーグラデーションで涼しい光から暖かい光までを再現し、オリジナルでリラックスできる灯りでオフィス空間を照らす。天井をメインで照らす間接照明のため、複数を連動させることでオフィス全体が包み込まれるような温かい空間へ変化。また、各デスクはダウンライトで照らされ、個々に調整ができるため省エネにつながる。  さらに、照度や環境などのデジタルセンサーを専用アプリや管理機器とBluetooth接続し、リモートでエネルギーコストの削減目標を設定したり、使い勝手の快適さを向上させる様々な設定や操作が行えるスマート照明機能も備える。
 また、全てのモデルがフリースタンドタイプのため、急なレイアウト変更等にもフレキシブルに対応できる。  サーカディアンリズム機能のある「VTL(Visual Timing Light)」、照明器具同士を無線通信で制御できるインテリジェント通信機能の「TALK」、クラウド接続できる機能「LTX」もオプション追加で利用できる。
 オプションを含めこれらの全ては、アプリによりリモートで表示・操作・管理が可能、かつ照明器具をすばやく簡単にパラメータ化して、個々のビル建物の管理システムに統合もできる。
 最上位のDX―LTXモデルは、LTXを搭載。LTXとは、各照明の使用率やデジタル環境センサーから得られた温度、騒音レベル、空気の質のデータをリアルタイムで監視し、オフィスの内部環境と占有状態を監視および強化できる技術。例えば、時間、照明の設置場所、使用率、総床面積、空気汚染度などを計算して、リアルタイムで最適な空間環境作りのサポートを行う。

瞬時にデータ分析 置いた場所に最適な光を
 プラススタイル(東京都港区)は、+Style商品「スマートLED電球(人感)/E26」と「スマートLED電球(RGB調色)/E26」を販売している。
 「スマートLED電球(人感)/E26」は、人感センサーを搭載したE26口金のスマートLED電球。同電球を操作できるアプリ「+Style」に+Style商品同士を連携できる「スマートモード」機能を搭載。これにより、「スマートLED電球(人感)/E26」が人の動きを検知すると、他の+Style商品が自動的にON/OFFするように設定できる。「電球が人を感じ、家電が自動的に動く」というスイッチレスなスマートホームが工事不要で簡単に構築できる。
 また、人感センサーが検知した動きを履歴としてアプリで確認できるため、プライバシーに配慮した形で人の動きをとらえ、遠隔地で生活する家族の行動を見守ることもできる。
 点灯時間と感度はWi―Fiで常時ネットワークに接続しているため、いつでもどこでも変更可能。点灯時間は最短30秒~最長1時間、感度は低・中・高の3段階で設定できる。また、点灯時間が終了したら人感センサーが再検知するモードに入ったことを低照度(0~30%)に下げて知らせる。最長8時間まで低照度の状態を維持できる。なお、照度レベルを設定できるため、「昼間」や「夕方」など、周囲の明るさに応じて感度のレベルを変更できる。
 「スマートLED電球(RGB調色)/E26」は、+StyleのスマートLED電球として初めてRGB調色に対応した。フルカラーの1677万色に及ぶ発色が可能で、アプリのカラーパレットで好きな色を簡単に選ぶことができる。アプリでは「スマートモード」を設定することで複数の同電球を同時に調色できる。レクリエーション目的の部屋などを照らす明かりとして、「緑+赤」、「紫+青」など好みに合わせた組み合わせを設定。これにより、アプリでワンタップ、またはスマートスピーカーに話しかけるだけで一括して変更可能。
 さらに、「レジャー」、「おはよう」などの点灯モードを設定できる。点滅させたり、グラデーションで色を変更させるといった3つの点灯パターンを含めた、全11件から選ぶことが可能。さらに、点灯パターンを指定できるカスタマイズモードも最大4件登録できる。

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