不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2020.11.24 10:27

プリンスホテルが新ブランド相次ぎ開業 デジタル時代の”スマートな滞在”提供
 プリンスホテル(東京都豊島区)では、次世代型の新ホテルブランド「プリンス スマート イン」を相次いでオープンさせる。
 2号店となる「プリンス スマート イン 熱海」(静岡県熱海市)を2021年1月18日にオープン。同ホテルは当初、今年夏に開業を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため開業を延期していた。
 同ホテルは、JR「熱海」駅より徒歩約3分の伊豆箱根バス熱海営業所跡地に建設した。延床面積約3499㎡、RC造地上8階建て。125室の客室とレストランを備える。
 ロビーや客室は、「プリンス スマート イン」のブランドコンセプト「シンプル&スタイリッシュ」を体現し、今後展開していく「プリンス スマート イン」のモデルデザインとなっている。1号店の「プリンス スマート イン 恵比寿」(東京都渋谷区)から更に進化し、顔認証チェックイン機能等を導入する。
 チェックイン前の宿泊者の荷物はフロントで預かるのではなく、自身でロビーのロッカーに二次元コードをかざして利用する。ロッカーは到着時からチェックイン時まで利用が可能なため、ビジネスでの外出や観光での出かける際に活用できる。
 ロビーの自動チェックイン機を利用しなくても、ホテルスタッフと対面することなく、自身でのスムーズなチェックインが可能。ロビーにはマップ型デジタルサイネージを設置し、観光情報やグルメ情報の提供を行う他、宿泊した情報をマップ上に映すことで宿泊者同士の情報交換やコミュニケーションの場も提供する。 
 アプリを利用者は従来のようなカードキー形式ではなく、自身のスマートフォンをドアにかざして入室できるスマホキー形式を導入する。
 全客室に多言語対応スマートスピーカーを設置し、客室の機能や使用方法等の質問に答える他、館内案内、音楽プレーヤーとしても利用可能。また一部客室では、スマートミラーで天気予報や音楽も提供する。 
 2022年春頃には、京都府京都市中京区丸屋町にて137室の同ブランドホテルを開業させる計画だ。関電不動産開発(大阪府大阪市)が出資およびアセットマネジメント業務を受託するKRD丸屋町開発特定目的会社との定期建物賃貸借契約により、プリンスホテルが運営する。
   同ホテルは、京阪本線「三条」駅から徒歩約8分、京都市営地下鉄東西線「京都市役所前」駅から徒歩約5分の場所に位置。敷地面積約1025・83㎡、延床面積約4149・73㎡、鉄骨造地下1階、地上5階建て。客室数はツインルーム97室、ダブルルーム40室の合計137室。
 事業主体はKRD丸屋町開発特定目的会社で、プリンスホテルがKRD丸屋町開発特定目的会社との定期建物賃貸借契約により運営する。
 KRD丸屋町開発特定目的会社は、出資者兼アセットマネージャーである関電不動産開発が関西電力グループの中核会社として、不動産事業のさらなる強化・効率化を図り、事業領域拡大の一環として注力しているアセットマネジメントビジネス。同社が培ってきたノウハウを生かして組成した開発型のTMK(特定目的会社)だ。
 「プリンス スマート イン」はプリンスホテルのイノベーションを担うホテルブランドだ。ICTやAI技術を導入し、ニューノーマル社会における新たなホテルとして、利用客に安全・安心で快適な空間を提供すると同時に、スマートフォンのアプリ等を活用したシームレスなサービスで、デジタル世代の“スマートな滞在ニーズ”を提供する。
 2020年10月8日に東京・恵比寿に1号店となる「プリンス スマート イン 恵比寿」を開業し、今後も“進化するブランド”として、顔認証によるチェックイン等、その時代に求められるニーズに対応した最先端の技術やサービスの導入を図っていく。
 京都市内には、2021年夏に開業を予定している「プリンス スマート イン 京都四条大宮」に続き、2店舗目となる。今後、2022年には沖縄県・那覇市にも開業を予定している。

DMO 「三浦半島プロジェクト」始動
 今年1月に観光庁の日本版DMO候補法人に登録された「三浦半島DMO」によるプロジェクトが、2020年11月より本格的に始動する。 
 同プロジェクトの活動では、三浦半島(横須賀市/鎌倉市/逗子市/三浦市/葉山町)の観光資源として大きな可能性を持つ“食の魅力”についての情報発信や商品開発を、地域事業者と連携して発信するWEBサイト「三浦半島百貨店」を、11月19日にオープンさせた。今後、三浦半島の強みを生かした商品開発などを展開する予定だ。
 三浦半島は、首都圏からの交通利便性に加え、土地に根付いた文化や自然など沢山の観光的価値を持つ。中でも、半島の潮風や温暖な気候によって育った多様な野菜、漁場で獲れる地魚、自然に恵まれたロケーションが味覚を豊かにしてくれるレストランや食堂など、“食”は大きな可能性を持つ観光資源の一つだ。
   「三浦半島百貨店」は、三浦半島の“食”の魅力をプロモーションするために誕生したWEBサイト。三浦半島ならではの“ひと、もの、こと”にフォーカスした情報発信や商品開発を通じ、“三浦半島でしか得られない価値”についてストーリーをもって提供していく。 
 サイトオープン時より公開されるインタビューコンテンツでは、三浦半島の生産者や食に関わる事業者の想いとバックグラウンドを紹介。以降、三浦半島の名品の紹介・販売や、体験コンテンツ、MICEなど三浦半島の魅力を多角的に発信していく計画だ。
 DMO(Destination Management/Marketing Organization)とは、観光地を「経営する」視点に立ち、様々なステークホルダーと協働しながら明確なコンセプトに基づいた戦略を策定・実行していく為の「観光地域づくり法人」。

「SORAPIA」富士山近くにオープン
 合同会社SORAPIA PLANNING(神奈川県横浜市)は、宿泊施設ブランド「SORAPIA」の新施設となる「SORAPIA villa Mt. FUJI front」を開業させた。
 同施設は、富士急行「河口湖」駅より徒歩約7分に位置、延床面積約2852㎡。東京エリアから自動車で往来しやすく、JR「新宿」駅からの直通列車もでるなど、アクセス至便で富士急ハイランドや富士登山など多くの観光客が訪れる場所にある。 
 客室は、各60㎡のメゾネットタイプ、最大7~8名のグループや家族連れに対応し、庭直通のリビングとツールの揃ったキッチンを備え、アウトドア感のあるコーディーネーションにより、キャンプ地における人の集まりの一体感を提供。大画面テレビやゲーミンググレードの高速Wi―Fi、ブルートゥーススピーカーなど都会的で便利な別荘の側面も持つ。
 宿泊者のプライベートやコミュニティへのホテルスタッフによる干渉を極力排し、宿泊者だけの時間を最大限提供すると同時に、不便さを感じさせぬように普段使い慣れたLINE等を用いたBotによる対話式チェックインと、QRコード式オートロックの組み合わせによる完全非対面チェックインを採用。宿泊者は、事前チェックインを行うことで、受付を介することなくシームレスに客室を利用可能となる。

グリーンズ 神戸でリブランドオープン
 グリーンズ(三重県四日市市)では11月4日、兵庫県神戸市に「HOTELメリケンポート神戸元町」を開業させる。同ホテルは、オペレーターチェンジに伴い、新しいブランドのホテルとしてリブランドオープンもの。  「グリーンズホテルズ事業」部門において初の兵庫県出店となるこのホテルでは、これまでの地域に根差したサービスに加え、アフターコロナ時代の様々な観光需要喚起策に積極的に取り組むことを通じて神戸元町地域の経済活性化に貢献していきたいという。
 同社の2019年8月発表の中期経営計画における重点戦略では、多様な出店戦略を通じた「両事業における新店開発の加速」を掲げており、今回のリブランドオープンはその一環として、グリーンズホテルズ事業による兵庫県神戸市への新規出店となる。
 同社は、40ヵ国以上7000軒以上のホテルチェーンのグローバルブランドを擁する「チョイスホテルズ事業」と、60年以上のホテル運営の実績をもつ「グリーンズホテルズ事業」とのシナジーで、中間料金帯ホテルチェーンとして全国に展開している。

「Azumi」瀬戸内エリアに
 アマン創業者であるエイドリアン・ゼッカ氏とナル・デベロップメンツ(京都府京都市)は、この度新しい旅館ブランド「Azumi(アズミ)」を立ち上げ、2021年春を目処に第1号となる旅館を瀬戸内エリアに開業させる計画だ。
 新ブランドは、地元とのインタラクティブで温かい繋がりがコンセプト。旅館が街全体に賑やかな連携をもたらすような「地域を代表する宿」の在り方を提案していく。「Azumi」ブランドの在り方を探求するべく、伝統的な数寄屋建築を通じて木や石などの生きた素材を大切にする六角屋・三浦史朗氏が、ブランド創成期からチームに参画。日本的建築の概念を重視しながらも国際的に旅慣れた人にも満足できる設えを表現できるようにする。

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