不動産トピックス

クローズアップ エリア活性編

2020.06.01 14:53

 エリア活性化の実現に向けては不動産の活用を切り離すことはできない。その場所をいかに人が集まる場所にしていくかがポイントとなる。ワークスペースやホテルなど昨今のトレンドに合わせた活用法はヒントになる。

長野の1棟ビルで複合ホテル ワーカーや地域のニーズ満たす
 昨年7月長野にオープンした「Mash Cafe&Bed NAGANO」ではホテルのほかにカフェ、シェアオフィス、ギャラリーが一体の複合型として運営されている。
 運営するのはS&Vホールディングス(東京都港区)。同社は2016年2月に設立し、主にライフスタイル事業とコンサルティング事業を行っている。「Mash Cafe&Bed」ブランドは2019年3月に秋葉原で展開したものが1号店となり、長野は2号店となる。
 代表取締役の土屋隆一郎氏は「1号店の秋葉原は宿泊特化型でしたが、2号店は様々な要素を複合したホテルとしました」という。その背景にあるのは「働き方改革」であり、土屋氏自身の抱く働き方への考え方だ。  「昨今はひとつのオフィスでずっと働くだけではなく、場所を変えながら気分をリフレッシュして働くスタイルが定着してきました。私自身もそのような働き方をとっておりまして、今回の長野の案件はニーズや私の思いを具現化した空間となっています」
 長野の案件はもともと一昨年の3月にオーナーから相談された物件。もともとはメガネ店を運営していたが、店舗を閉店。未活用となった物件の活用についての相談を受けたことがきっかけとなった。「長野は東京から新幹線で約2時間と距離が離れていません。地元の方はもちろんのこと、東京のビジネスマンからの需要にも応えていきます」と意欲を見せる。
 同社ではエリアにもよるが、このような形態のホテルの展開を進めていきたい考えだ。「たとえば宿泊施設は競争の激化等で手放されるケースが増えています。宿泊だけでなく、シナジーを発揮できるようなコンテンツを併設していくことで利用者のターゲットを拡大できると考えています」(土屋氏)。
ソフトコンテンツ盛り込み コミュニケーションを創出
 「Mash Cafe&Bed NAGANO」は「旅する人と、暮らす人が自由に集い、出会える場所を。」をコンセプトにしたカフェ&ホテルとなっています。施設内にはシェアオフィスやギャラリーを併設し近隣企業様やワーカーの方々にご利用いただいています。宿泊施設の供給が過剰になっているなかで、差別化戦略のひとつとして「宿泊+α」は有効だと思います。当社としてこのような複合型は初の事例になりますが、今後も立地を分析しながら積極的に課題を進めていきたいと考えています(S&Vホールディングス 代表取締役 土屋隆一郎氏)

ジェクトワン 空き家活用メディア開設
 日本で深刻化する空き家問題。地域活性を考えるうえで避けることはできない。そのなかで空き家活用事業を展開するジェクトワン(東京都渋谷区)が新しい「空き家活用」の情報メディア「アキヤノワダイ」を先月25日に開設した。
 同メディアでは空き家問題の解決策として同社が推進する「空き家活用」の認知度向上や活用策の普及を目的に立ち上げ。空き家所有者は「活用したい」という意向があるものの、その方法がわからないために断念しているケースが多いという。
 そこで「アキヤノワダイ」では空き家を持つことのリスクや実際に空き家を活用した人のインタビュー記事などを掲載していく。加えて、空き家についての基礎知識や事業を展開する企業へのインタビューなども行っていく予定だ。

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