不動産トピックス

クローズアップ 空気環境編

2020.04.20 16:07

 ここ数カ月で全世界は、これまでにないほど「空気環境」に注意することとなった。原因は新型コロナウイルス。だが、それ以外の有害な菌やウイルスも空気中に漂っており、人体に害を及ぼすこともある。今回は昨今注目の改善策を紹介する。自社オフィスの空気環境の改善に役立ててほしい。

空気中の浮遊菌を「見える化」 オフィス・店舗の空気環境改善
 みんな電力(東京都世田谷区)は先月24日から、空気を吸引・検査して、適切な環境改善を提案するコンサルティング事業「みんなエアー」を開始した。
 「みんなエアー」は、同社スタッフがオフィスや店舗内の空気を吸引し浮遊菌を採取。人体に影響を及ぼす可能性があるといわれる19種類(ブドウ球菌や糸状様真菌、ミクロコッカスなど)の浮遊菌について、専門の検査機関で菌の有無や量などを調査しデータ化。更に殺菌スプレーの導入やUVGI紫外線殺菌照射装置「エアロシールド」を用いた空気環境の改善など、調査データをもとに適切なソリューションを提案するサービスだ。現在、新型コロナウイルスが猛威を振るい世界中で感染拡大。職場や店舗の空気環境に注目が集まっている中、同社は空気の清潔さを「見える化」することで、環境改善や企業のブランディング、採用・集客などに効果をもたらすと考えている。
 ちなみにエアロシールドは24時間紫外線殺菌を行う装置。第三者研究機関の実証試験により「実空間における浮遊菌減少89・6%」が証明されている。テスト導入先として、東京都渋谷区の児童福祉施設で浮遊菌を検査。同装置による紫外線殺菌を行ったところ、「保護者の安心安全につながった」と反響も寄せられた。みんな電力は同サービスのコンサルティング数を今年度中に1000施設目指す。今後は検査可能な菌類やウイルスの追加、ソリューションも増やし、衛生的で快適な空気環境づくりに貢献していく。

「みんなエアー」TBSラジオに導入
 みんな電力が先月24日に開始した「みんなエアー」は、今月13日からTBSラジオのスタジオに導入された。
 TBSラジオは出演者の新型コロナ感染防止策として採用。これまでパーソナリティー間にアクリル板をたてるなどの感染防止策に取り組んできたが、スタジオが密閉空間であるため、空間自体の安全性を高める施策を求めていた。その時に「みんなエアー」に着目。13日からみんな電力のスタッフが、スタジオ内の空気を吸引し、人体に影響を及ぼす可能性のある浮遊菌の有無や量などを調査。更にエアシールドを設置してからの一定期間後に同様の検査を実施し、サービス導入前後の空気環境を比較、「見える化」を図る。
 今後同社はラジオ局での殺菌事例を生かし、オフィスや店舗、老健施設等への領域拡大に取り組む次第だ。

空気清浄機のレンタルサービス 適切な設置場所・台数のプランニングも
 シャープ(堺市堺区)は家庭用のプラズマクラスター空気清浄機の機能性や空気浄化の効果をオフィス向けの清浄機にも生かした、今月10日からは新製品「FU―M1400」を販売。同製品と組み合わせた空間プロデュースを実施する。
 「プラズマクラスター」技術は、イオンの力で空気を浄化するシャープ独自の技術。空気中にプラズマクラスターイオンを放出。浮遊するカビ菌やウイルス、アレル物質などの作用を抑制する。同時にタバコの付着臭や洗濯物の生乾きのニオイ、生活臭などの分解・除去にも効果を発揮。この脱臭力により、業務用やオフィスへの設置・普及にも貢献した。09年に床置き型を発売し、BtoB向けのラインナップを充実させた。天井埋込型をはじめ、壁掛け棚置き兼用型などの製品も販売する。
 新たに販売される床置き型プラズマクラスター空気清浄機「FU―M1400」は、オフィスや飲食店、診療所の待合室など、多くの人が集まる広めの空間に適した。適用面積は最大107㎡(65畳)で、66㎡が教室1つ分に相当するとなると、よりオフィスに適した面積の空気清浄を実現。ツインのファンとモーターにより26デシベル(静音運転時)と静音性にも考慮。強力な集じん性能を持ちつつ、プレフィルターの自動掃除機能(集めたホコリなどを自動掃除し、抗菌ダストボックスに回収)も備える。「P㎡・5」と呼ばれる0・1~2・5マイクロメートルの粒子を99%キャッチできる高性能フィルターも搭載している。
 BtoBソリューション事業統轄部の佐野直之氏は「性能の高さだけでなく、当社は空気浄化力を最大限に生かすプランニングも実施しております。設置を想定する空間の状況に適した機種、台数、設置場所を提案。イオン濃度のシミュレーションや浮遊菌測定も提供でき、プランニング、設置工事、メンテナンスを含めたトータルでのサポート体制も特長です」と語る。
 昨今は、スーパーマーケットにおける食の安心・安全対策や食品工場でのカビ対策、またスポーツジムでの衛生面強化として採用する。佐野氏は「これまでの日本では『空気・水・安全はタダ』との認識がだっだが、昨今の環境問題や感染対策を考慮すると、むしろ費用を掛けて対策を講じることが効果的です」と語った。

ジャパンテックサービス 空気清浄付きLED照明の販売開始 浮遊するウイルスや花粉を除去
 ジャパンテックサービス(東京都世田谷区)は13日、LED照明とマイナスイオン発生機を一つにまとめた照明「KimiエアクリーンLED」を販売開始。浮遊するウイルスや花粉対策に注目を集める。
 「KimiエアクリーンLED」は、普通の白色電球35W相当の明るさを有しながら、20cm先で1立方センチメートルあたり500万個以上のイオンを放射。放射されたマイナスイオンにより、室内に浮遊するウイルスや花粉、嫌な臭い、たばこの煙、カビの胞子、ダニの糞などの超微粒子を攻撃して死滅させる機能を持つ。マイナスイオンの放出量は国際基準合格数値である10万個の約2倍。取り付けた瞬間から超微粒子を除去し、場所を取らずに照明と空気浄化が可能。ちなみに、電球ソケットは既存のE―26(電圧100V、50/60Hz)に対応する。
 効果のある範囲は、1灯で約4畳分。リビングなどの住環境をはじめ、商業店舗や医療施設、老健施設、幼稚園、スモールサイズのオフィス空間などでも効果を発揮する。常夜灯のみでも点灯時と同じ量のマイナスイオンを発生するため、寝室への取り付けにも優れている。

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