不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2020.03.16 11:42

沖縄UDS 「ホテル アンテルーム」ブランドを沖縄にオープン アート配し地域との交流図るイベントも

 沖縄UDS(沖縄県那覇市)では2月27日、沖縄県那覇市・泊港エリアに「ホテル アンテルーム 那覇」を開業させた。  同ホテルは、沖縄都市モノレール「美栄橋」駅より徒歩12分に位置。敷地面積2625・67㎡、建築面積1301・23㎡、延床面積5660・88㎡、地上7階建て、客室数は10タイプ126室。ギャラリー、レストラン、バーラウンジ、ショップを付設する。不動産企画は日建ハウジング、企画・設計はUDS、運営を沖縄UDSが担当する。
 同社の親会社であるUDSが2011年に京都で手がけた「ホテル アンテルーム」は、ホテル全体にアートを配し、地域のコミュニティと交流をはかるイベントを開催するなど、まちの「今」を表現するアート&カルチャーが集まることで新たな賑わいを創出してきた。「ホテル アンテルーム 那覇」でも、アートやカルチャーを介して人が集い、つながることで那覇に新しいシーンを創出するホテルを目指していく。
 同ホテルでは、「SANDWICH」のディレクターである彫刻家・名和晃平氏の監修のもと、ホテル外観の壁面全体に同氏の代表作のひとつ「Direction」のデザインを施している。建物のデザイン自体にアートを取り入れるという新たな試みで、エントランスホールは、高さ約6mの大空間の壁全体に絵具で直接描かれた大和美緒氏によるドローイングのインスタレーションが原摩利彦氏のサウンドスケープと共に宿泊者を迎える。 
 全室からハーバービューを望む客室は、ダブルルームとツインルームを中心に、全10タイプ126室を用意。国内外で活躍するアーティストが客室を手がけたコンセプトルームも複数設ける。
 ブルーグレーを基調に海との連続性を意識した客室は、アートが引き立つよう華美な装飾は加えずシンプルに仕上げている。  アンテルームは「次の間」や「待合室」を意味し、客室は那覇のまちに出るための準備をする場所。床や家具には温かみのある木材を使用し、丸みのあるデザインで統一することで、日常の延長のように落ち着ける空間を目指した。
 客室やパブリックエリアには、宮古島出身の若手アーティスト八木恵梨氏が沖縄を散策しながら収集したイメージを描いた水彩画の他、沖縄、京都、東京などで活躍する新進の若手作家たちの作品を設置している。 
 ハーバービューを望む2階には、レストラン「ANTEROOM MEALS」とバーラウンジを配置。ギャラリーからゆるやかにつながるバーラウンジは、壁面の大きな鏡が外の景色を室内にも取り込んだような開放感のある空間。バータイムには、ハーバービューの夜景を眺めながら季節の県産フルーツやハーブを使用したオリジナルサワーなどを提供する。
 同社は、まちづくりにつながる事業企画、設計、店舗運営を行うUDS(東京都渋谷区)の100%出資子会社として2016年10月に設立された。同社は、「沖縄の魅力を地域とのつながりから再発見し、国内外に伝えていくための架け橋となる場作り」を目指している。現在、宮古島の「HOTEL LOCUS」や「the rescape」をはじめ、沖縄県内各地でホテルやリゾート施設の開業を進めている。

リア・テクノロジーズ 特区民泊制度利用した施設大阪に2月相次ぎ2棟
 レジデンシャルホテルなどの運営事業を展開するREAH Technologies(東京都港区)は2月、大阪市に特区民泊制度(国家戦略特別区域法に基づく国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業)を活用したレジデンシャルホテル仕様の宿泊施設を展開。「BON Condominium Namba Ebisu(ボンコンドミニアム難波恵美須)」、「BON Condo Umeda East(ボンコンド梅田東)」の2棟をオープンさせた。 
 今回開業したホテルは、いずれも同社の独自ブランド“BON(ボン)シリーズ”の施設で、最新のテクノロジーを活用し、利用者に“暮らすように旅する”滞在スタイルを提供する。
 「ボンコンドミニアム難波恵美須」は、大阪メトロ堺筋線「恵美須町」駅から徒歩2分に位置。客室数は2タイプ45室、定員198名、宿泊料金は1室1万2000円から。
 一方、「ボンコンド梅田イースト」は、大阪メトロ堺筋線・谷町線「南森町」駅から徒歩5分。客室数は2タイプ40室、定員160名、宿泊料金は1室1万2000円から。
 2棟のホテルはそれぞれ、通天閣で有名な“最も大阪らしい街”新世界“と、西日本最大の繁華街”梅田から徒歩圏内に位置し、大阪観光に最適な立地にあるのが特徴だ。
 施設内には無人チェックインシステムやスマートロックなど、最新のIoTを採用する。
 今回の開業により、BONシリーズのうちレジデンシャルタイプの施設は計8棟となり、部屋数は300部屋を上回ることになる。
 同社は、合法民泊のパイオニアである百戦錬磨の施設運営事業が分社化、独立して誕生した。
 同社は、インバウンド特化型のホテル・ホステル・合法民泊の企画・運営やその他のオルタナティブ・ロッジングの分野を舞台として、今後中長期的に成長が見込まれる訪日外国人旅行者に対して新たな宿泊の選択肢を提供。
 一方、それらの舞台を提供する不動産オーナーの収益最大化に努めてより多くの投資機会を提供できるよう、両輪でのサービス開発を進めていく。

プリンスホテルが沖縄エリアに2棟をオープン
 プリンスホテル(東京都豊島区)では、2022年に沖縄県内初出店となる2つのホテルの開業を予定している。
 沖縄県は豊かな文化と自然を有する日本を代表する観光県であり、2018年度の沖縄県の観光客数は1000万人を超え、2021年度の1200万人を目指し官民が連携して誘客に注力している。今年3月の那覇空港の第2滑走路供用開始等のインフラ整備により、この動きはさらに加速していくことが期待されている。 
 中でも宜野湾エリアは自然環境や風景に恵まれ、日本でもトップクラスのラグジュアリーリゾートとしてさらなる成長を期待できることから、同社の基盤ブランドである「プリンスホテル」を出店し、沖縄における拠点となることを目指す。
 また那覇は、沖縄の中心地として特に国内外の若年層を中心に伸びしろがあると考え、デジタル世代を対象とした宿泊特化型の「プリンス スマート イン」を出店する。
 宜野湾市の宜野湾港マリーナ前に2022年春に開業するのは、同社の基盤ブランドである「プリンスホテル」ブランドのホテルの出店を予定。
 このホテルは340室全室がオーシャンビューのリゾートホテルで、観光需要に加え、ホテル至近に国際会議やコンサートが開催可能な「沖縄コンベンションセンター」が位置することから、リゾートMICE需要にも対応可能なホテルとなる。  同ホテルはパナソニック ホームズ(大阪府豊中市)が事業主体となり、ケネディクス(東京都千代田区)が事業パートナーとして企画立案で協業し、プリンスホテルが運営する。
   一方、那覇市牧志の美栄橋駅付近に開業する宿泊特化型ホテルブランド「プリンス スマート イン」は、ジョイントハウス(沖縄県那覇市)が事業主体となり、プリンスホテルが運営する。

「ホテルWBFイルオナイ」5月に
 国内にグループ合計38ホテルを展開するWBFホテル&リゾーツ(大阪市北区)では、5月1日に初進出エリアとなる北海道小樽に「ホテルWBFイルオナイ小樽」をオープンさせる計画だ。
 同ホテルは、JR線「小樽」駅徒歩10分に位置。本館地上3階建て・新館地上7階建て、客室数は全92室。小樽市の市指定歴史的建造物である旧小樽商工会議所をリノベーションした本館と、新たに建てられた新館との2棟が廊下で繋がっている構造。歴的建造物を残し、かつて「北のウォール街」と呼ばれた小樽の街並みの魅力を伝えるとともに、地域の活性化に貢献できるホテルを目指していく。
 旧小樽商工会議所の大会議室として使用されていた3階スペースは、宿泊者様専用の朝食会場・午後から夜にかけてラウンジスペースとして活用する。天井は最高約5mあり、さらにイタリアから取り寄せたシャンデリアを導入することで解放的な上質な空間に仕上げた。
 同社は、2004年より沖縄、2009年より北海道で運営を開始した「ホテルラッソグループ」を前身とし、2016年より「ホテルWBF」へ順次リブランドのうえ、全国展開しているホテルチェーン。
 2020年1月現在、主力の「ホテルWBF」ブランドのほかに、天然温泉付リゾートホテル「琉球温泉瀬長 島ホテル」(沖縄)、関西発のグランキャンピング施設「パームガーデン舞洲 by WBF」(大阪)等を37軒展開。2020年には北海道、神奈川、大阪、京都、沖縄に合計7軒のホテルが開業する計画で、2020年末には全国45施設規模になる。

温泉道場 サウナ付き1棟貸し
 温泉道場(埼玉県比企郡)では、同社が運営する複合リゾート施設「BIO RESORT HOTEL & SPA O Park OGOSE」(埼玉県入間郡越生町)に3月、新たにプライベートサウナ付きの一棟貸し宿泊施設「サウナスイートキャビン」をオープンさせた。
 「サウナスイートキャビン」とは、北欧のサウナ小屋をイメージした一棟貸しのキャビン。木でしつらえた開放的な空間に、北欧の伝統的なイメージを継承するインテリアや家具、フィンランド式のプライベートサウナ、ジャグジーバス、ストーブ(暖炉)等が備え付けられている施設。サウナと水風呂の交互浴や、アウトドアダイニングでグランピングディナーを堪能することができる。
 サウナスイートキャビンの雰囲気を更に盛り立てるデザインモチーフとして、2020年に創業 200 周年を迎えるフィンランド最古のテキスタイルブランド「フィンレイソン」とコラボレートした。

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