不動産トピックス

日本橋特集 街を彩る名店探訪 WALL STREET

2020.01.06 11:52

茅場町 イタリアン「WALL STREET」 安心できる場所目指す

 東京メトロ「茅場町」駅から徒歩1分にある「第二井上ビル」。ヴィンテージ感のある外観が特長の同ビル1階に店を構えるのが、手作りイタリアンとオーガニック料理と豊富なドリンクが売りの「WALL STREET」だ。
 「WALL STREET」を運営するのは不動産賃貸業を営む井上商事(東京都中央区)。同社はトラック自動車運送業・倉庫業として1927年に創業し、その後不動産賃貸業も加わった。夜までトラックの帰りを待つのが常だった。「ただ待っているのではなく、トラックが戻るまでの時間を有効活用しよう」と考えたのが、飲食事業を始めるきっかけとなった。  「飲食店運営の経験が一切なかったため、事業を始めるにあたり料理・酒や店舗経営など幅広く勉強しました」と代表取締役社長の井上賢一氏は振り返る。同氏は飲食に関わる知識を幅広く身に付け、イタリアンバー「WALL STREET」を開業した。
 現在の「WALL STREET」のこだわりは、食品添加物を一切使用せず、料理もおつまみに至るまですべて手作りであること。「ソーセージなど通常のレストランなら業務用の冷凍を使うものでも、妥協はせず手作りを貫いています。また、食品添加物を口にすることで病気になるリスクも高くなるというデータが出ています。料理は、あくまでお客様の口に入るもの。安全なものを提供することがうちのこだわりです」と語る。オーガニック野菜のほか、ピザの生地にもこだわり、揚げ物の油もトランス脂肪酸フリーのものを使う。中でもオーガニック野菜をふんだんに使ったサラダは、健康志向の女性に人気だという。
業態をイタリアンにしたのは、ビルの雰囲気とあっていると感じたためだという。「お客様に対する『安心感』には3つの意味があります。『食べ物に関する安心感』と『建物の安心感』、『大人数でもはいれる安心感』です。『WALL STREET』は150席と広く使っていただけるため、大人数のお集まりにもご利用いただけます。また、独特の雰囲気や趣を気に入って下さる常連の方も多くいらっしゃいます。これからも長い視点で店づくりを目指していきたいと思います」(井上氏)。
 「茅場町」という地域柄近隣の会社に勤める人の来店が多い。がカップルやファミリー、外国人観光客などにも楽しんでもらえるように工夫を凝らしており、最近では若い女性客も増えているという。
 井上氏は日本橋・茅場町について「金融の街から新たなビジネスの拠点の街への変化の途中にある」と語った。

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