不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2019.05.27 11:21

京町家2棟リノベーション Kirakuがプロデュース
  Kiraku(京都府京都市)では、大型の京町家2棟を改修した全7室の宿「Nazuna 京都 御所(なずな きょうと ごしょ)」を開業させた。
 同施設は、地下鉄烏丸線「丸太町」駅徒歩4分で、京都御所や二条城から徒歩10分圏内に位置する。地上2階建て、和菓子をテーマにした全7室のスモールラグジュアリーな旅館だ。
 設計は魚谷繁礼建築研究所、運営は、ミシュランガイド掲載の高級宿を運営するNazuna(滋賀県野洲市)が担当する。
 ロビーには、かつて同館が材木屋として使われていた頃の名残を残す、高い天井と土壁を配置、客室内の庭に露天風呂・半露天風呂を設えたラグジュアリールームは「柏餅」「葛切り」、内風呂を設えたデラックスタイプの客室は「串団子」「最中」「八つ橋」「羊羹」「落雁」と和菓子の名が付けられ、各客室名をテーマに制作・選定された現代的なアートワークが特徴だ。至るところに改修前の面影を残しながらも、全室に床暖房など最新の設備を備えるなど、現代風にアレンジいた。 
 滞在中自由に使うことができる「囲炉裏ラウンジ」ではチェックイン後から深夜まで、アルコール類・ソフトドリンクを軽食と共に提供する。朝は厳選された四季折々の食材を用いたメニューを用意する。
 同館に程近い夷川(えびすがわ)通りは、古くから京都一の建具・家具屋街として栄え、現在でも数多くの家具屋が並ぶ街。これたの材木屋は京の建具・家具文化を長い間支えてきたが、その役割を終え、空き家となっていた。
 近年、京都では町家再生プロジェクトが増加しているが、同館のような大型の町家は維持・改修の費用負担が大きいことなどから、引き取り手が見つからないまま止むを得ず取り壊されることも多く、その数は減少の一途を辿っているという。
 Kirakuでは、京都の発展を支えてきた歴史的・文化的価値の高い建造物を後世に残したいという想いを原点に、2棟の大型町家を中庭で結び、旅館として再生させるプロジェクトが進めている。
 Kirakuは、ホテル開発・企画、アセットマネジメント、ソフトウェア開発、データ分析コンサルティング等を手掛けてる。2015年7月に宮崎県日南市より「まちなみ再生コーディネーター」業務を受託。日本の歴史的資源を活用した再生ビジネスに着目し、旅館再生を含め、「日本の未来に残したい資産」をテーマに、事業性のある不動産の活用プロジェクトを進めている。
一方、Nazunaは「Nazuna」、「季楽(きらく)」ブランドで、京町家をリノベーションした高級旅館・高級一棟貸し宿を運営している。

民泊物件.com 「家具レンタルパック」をスタート
 民泊物件専門の不動産ポータルサイト「民泊物件.com」を運営するスペースエージェント(東京都渋谷区)はこのほど、 インテリアコーディネーターによる「家具のレンタルパック」サービスをスタートさせた。
 これは同社インテリアコーディネーターがトータルコーディネートした家具家電パッケージを、格安料金でレンタルするサービス。
 「写真映えするかわからないのに、家具家電を全て揃えると高額で、オープンしたい日に間に合うかもわからない」。こうした民泊開始時の悩みを一気に解消するために、リスティング映えするパッケージプランを提案する。
 当初はモダン・ナチュラル・和モダンの3パターンだが、今後北欧やアジアンなどのパッケージもリリースしていく予定だ。 
 月額レンタル料の中に家具家電の保険料が含まれており、民泊運営にはつきものの家具家電の消耗に対応する。例えばコーヒーをこぼされてしまっても、ベッドが壊れてしまっても数日以内に交換対応する。
 同サービスは、既にパッケージ化されているため、初期費用1万円は必要だが、コーディネート料金はかからない。
 また、民泊ホスト自身による開梱・運搬作業を解消。自身が好みのインテリアイメージを選んだら、発注から設置まで全てプロが行い、最短2週間で民泊を開始することが可能だ。 
 レンタル料は月額1万3000万円から。1~2泊程の宿泊費用で回収可能な金額設定で、民泊を始める第一歩を踏み出しやすい。 同社は「お金と時間に縛られない社会の実現」をコーポレートスローガンに掲げ、不動産、特に民泊領域を中心としたインターネット事業を行っている。主力事業の不動産ポータルサイト「民泊物件.com」は、民泊事業者に対して民泊利用のための許可を得ている物件情報のみを提供する不動産ポータルサイト。2016年5月のサービス開始より成長を続け、3万名超の会員、1500社以上の加盟不動産会社が利用している。

SEKAIHOTEL 地元パートナーとの連携強化
 リノベーション事業を手がけるクジラ(大阪市北区)グループ会社で、まちごとホテル化することで空き家問題の解決・地域活性化を目指すSEKAI HOTELは4月より、 各拠点に地元企業とパートナーシップ契約を締結し、全国展開を本格的に開始する。
 パートナーとなる事業者はひとつのエリアの運営主体となり、SEKAI HOTELのライセンスとノウハウを生かし地域の活性化を推進する。初期段階ではSEKAI HOTEL側からもスタッフを出向させ、海外向けのPRや土産などの商品開発はSEKAI HOTEL側が主体となって行う。
 地域のステークホルダーである自治体はPRや地元有力者の紹介、資金面は金融機関、遊休地の提供は地元資産家、インターシップは大学、新たな商品開発は地元企業として連携を図る。現在は神奈川、富山、滋賀、愛媛、福岡など様々な地域を検討しており、さらに具体的な地域については随時情報を公開していく予定だ。
 地方創生は数年前から「ひと」、「もの」、「かね」の東京一極集中を是正するために国家戦略としても指定され、企業や自治体によって全国各地で様々な施策が実施されてきた。中には成功例としてあげられる事例も存在するが、汎用性のある地方創生のプラットフォームと呼べるものはまだ多くはない。
クジラでは、これからの地方創生にはこの汎用性のあるプラットフォームが必要であると考え、大阪府内の2拠点でSEKAI HOTELを運営してきた。
新ライフスタイルブランドを提案
 グローバルエージェンツ(東京都渋谷区)ではこの7月、福岡県博多市に新しいライフスタイルブランドとなる「THE LIVELY(ザ ライブリー)福岡」を開業させる。
同ホテルは地下鉄空港線「中洲川端」駅より徒歩1分に位置、延床面積9888・70㎡、客室数224室。ライフスタイルホテルの象徴としてバーを中心に据えた空間設計が特徴。
 既存のホテルを大規模リノベーションによって、1階の一部の天井を壊して1、2階の吹抜けとし、その中央にアイランド型のロビーバーを配置。そのバーを中心にエントランス、フロント、エレベーター、レストラン、ラウンジ、バンケット会場を配置。従来のフロントを中心とした空間構成からバーを中心とした空間構成とすることで、ホテルとしての自由さと多様性を表現した。
   バー、オールデイダイニングのレストラン、ラウンジに加えて2つの趣向の異なるバンケット会場を有し、数人のプライベートな集まりから、企業の会議・セミナー・宴会利用、さらにはウェディングパーティーまで多様な"集まり"のオケージョンに対応する。
客室は、ダブルルームをメインタイプとして、ビジネスからレジャー利用まで幅広く利用することが可能。
 現在同社が展開しているホテルブランドは「HOTEL GRAPHY」、「ESTINATE HOTEL」、「UNWIND HOTEL&BAR」、「THE MILLENNIALS」の4つ。特に「THE MILLENNIALS」では、ミレニアル世代によるミレニアル世代のための宿泊施設として、自由と合理性と多様性を具現化した革新的な「スマートポッド」をはじめとしたホテルのコンセプトとデザインが、注目を集めている。

「ホテルリソル横浜桜木町」開業
 リソルグループ(グループ本社・東京都新宿区)のリソルホテルは、「ホテルリソル横浜桜木町」を4月25日にグランドオープンさせた。 
 同ホテルはJR根岸線「桜木町」駅東口より徒歩3分に位置、みなとみらい21地区の玄関口に位置する絶好の立地は、観光・レジャーやビジネスの拠点として大変便利なエリアとなる。鉄骨造、地上10階建て、客室数はモダレットルーム100室、ツインルーム34室の合計134室。靴を脱いでくつろげるスタイルでモダレットルームとツインベッドルームの2つの客室タイプを用意。RESOLオリジナルの低反発ポケットコイル式マットレスを組み込んだ快眠ベッドを採用した。
 2階にあるレストラン・イタリア式食堂「イル・キャンティ チェリエ」は、国内40店舗以上を展開するイタリア式食堂。オリジナルのサラダドレッシングが好評で、イタリアンレストランならではの日替わりの朝パスタも提供する。 
 ホテルは、サンケイビル(東京都千代田区)が企画、JX不動産(横浜市中区)が建築、全国14施設に「ホテルリソル」ブランドを展開するリソルホテルが運営を行う。
 デザインコンセプトは、「海でつながり、森でくつろぐ」。海と森を感じることが出来る北欧のあたたかみのある世界観に、横浜の地域性や文化をイメージさせるクラシックスタイルを融合させたくつろぎの空間を演出。
 「くつろぎを、デザインする。」という統一コンセプトのもと、同ホテルで「ホテルリソル」15施設目の開業となる。今後は2020年春に「ホテルリソル上野」(東京都台東区)、「ホテルリソルトリニティ大阪 淀屋橋」(大阪府大阪市)を計画している。

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