不動産トピックス

クローズアップ 自動ドア編

2019.03.04 16:03

 「自動ドア」は近づけば自然に開くものだが、その開閉タイミングは奥が深い。偶然にドアの前を通っただけで開いてしまったり、急用で急ぎ足でも中々開かなかったりするものだ。最適なタイミングでの開閉ドアが広まりつつある。

画像技術で人の歩く速度や進む方向を正しく判断
 センサー技術のオプテックス(滋賀県大津市)が販売する自動ドアセンサー「eスムースセンサー」は、従来にない画期的な機能を持つ。
 「eスムースセンサー」は業界初の画像センサーによる検知で、画像を使用することによって人の歩く速度や進む方向を読み取り、通行したい人だけに、最適なタイミングで自動ドアを開けることができる。同センサーに搭載している人の立体的な外形形状から人と判断する画像認識技術は、特許を取得。特殊なロジックにより、傘や帽子などを身につけていても、また車椅子でも人のみを認識。画像に映る人を高速・高精度に識別できるため、百貨店や球場などの多人数収容の場所での人数カウントとして、様々な場所で利用されている。
 この技術を用いた「eスムースセンサー」は、多くの人が往来する場所でも、人の移動方向を判別し横切りする通行者を除き、自動ドアに向かってくる人だけドアを開けるため、無駄な開閉を防ぐことができる。「無駄開き」や「開放時間」の削減により、施設や店舗の空調効率の向上や電力量の軽減といった省エネを実現できる。
 また、自動ドアにむかってくる速度を正確に検知し、歩行速度が速い人には通常より早く、歩行速度が遅い人には通常より遅く、歩行者にとって最適なタイミングでドアを開き、快適で安全な通行をサポートする。店の前を通り過ぎるだけで、建物に入る意思がないのに自動ドアが開いてしまったり、行列ができている店舗の前ではドアが長時間空いたままという状態は、多くの人が体感しているだろう。「eスムースセンサー」はこの課題が解決できる。
 エントランス事業本部国内営業部S&M課・川﨑賢一氏は「『eスムースセンサー』は約1年かけて開発しました。自動ドアは施設や建物の『顔』であり、イメージづくりの大事な部分を担っています。快適性と省エネを両立した自動ドアセンサーが、今後、駅や病院、公共の施設など多くの場所に採用されることにより、建物のエネルギー削減に貢献するとともに、ホスピタリティの向上に寄与していきたい」と語る。

自宅の引き戸を自動ドアに 後付け自動ドアを日本むけに改良
 オートスライド・ジャパン(群馬県桐生市)は、手動ドアをモーターの力で自動化する後付け自動ドアキット「オートスライド」の施工・設置方式を改定し、より日本市場にフィットした製品に改良。従来では施工が難しかった一部のアルミサッシなども対応可能となった。
 「オートスライド」は、自宅の引き戸を自動ドアに変える「自動ドアキット」。DIY感覚で誰にでも簡単に取り付けられる。本体価格とオプションのいずれも、日本国内類似製品のおよそ半額~4分の1と割安。また、後付け自動ドアで鍵を内蔵し、電子施錠できる製品は、日本ではこの「オートスライド」のみである。
 自動ドアは専用のドアとセットで施工するため、設置場所が限られ価格も高額である。「既存のドアをそのまま自動ドアにできれば」、「もっと安価で簡単に自動ドアが手に入るのは」というニーズから生まれた。日本のドアは、尺貫法とメートル法での建築が混在し、建物によってサイズも違う。また四季の寒暖差が激しいため、アルミ製や二重ガラスのドアがある一方で、木製や樹脂ドアも多く、欄間など日本独自の建築への対応も必要だ。これらの課題をクリアするため、製品を改良した。
 また日本市場独自の施工方式により、アルミサッシ、吊戸、木造ドアなど、ドア重量45kg以内の手動の引き戸であれば、アルミニウム、木製問わず自動化可能。自動ドア本体とタッチスイッチが付いている基本セットの他、マットセンサーやリモコン等、各種オプションをつけたフルセットでも10万円台で入手できる。また、自動ドアと電磁鍵がセットとなったタイプも発売している。
 一般的な自動ドアは「ドア枠設置」、「自動ドア装置の設置(含むセンサー調整)」「ドア吊り上げ」の3つの工事が必要だが、後付け自動ドアは「自動ドア装置の設置(含むセンサー調整)」の工事だけのため、施工期間が短く施工費用も安くすむ。

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