不動産トピックス

クローズアップ 屋上緑化編

2019.01.08 13:59

 ビルの屋上緑化は今や当たり前に施されており、その方法や種類も様々だ。実際に土を運んで花壇を作ったり、網や柵を設けて「緑のカーテン」にしたり、身のなる種類の植物を育て季節ごとに収穫をするなど楽しみ方も多種多様。できれば手軽にコストを抑えていたいもの。「袋」で育てる常緑キリンソウをご紹介。

土壌流防、雑草対策などの効果あり
 日昇緑化研究所(東京都昭島市)が取り扱っているのは「常緑キリンソウ袋方式」。土壌を入れた袋に苗を植え、成長しても植え替えをせず袋ごと育てるというもの。「土壌流防」、「雑草対策」、「簡単緑化」の効果がある。
 50センチ四方の袋はファスナーつき苗を植えたらしっかりとファスナーを閉じる。50センチ四方と小型の袋は持ち運びも簡単で、広さも50センチ単位で計画できる。
 また、枯れてしまった屋上緑化再生にも使用できるという点も評価できる。
 代表の本庄祐一氏によると、「他のシステムで屋上緑化を施工した建物で、メンテナンス費用が負担となり枯れてしまって悲惨な状態も数多くあります」という。
 この「常緑キリンソウ袋方式」は潅水不要でも枯れない、除草不必要でローメンテナンス、大規模修繕でも撤去・移動が簡単など、今までの屋上緑化資材と比べて管理組合・オーナーのメンテナンスコスト負担が少なくなるという。
 「植物を植えた時は、活着(根付く)が一番のポイントです。常緑キリンソウ袋方式は屋上で植栽するので、季節に寄っては植物が活着するにはとても過酷な場所となります。その点、導入後一年以内のメンテナンスをしっかり行い、より良い状態で枯れ保証期間を終え、お客様に喜んでいただきファンが増えるように一層頑張りたいと思っています。都市部の屋根を緑で覆い尽くしたい」(本庄氏)と意気込みを語る。

緑の緑化も可能なコケ緑化
 モス山形(山形県山形市)で扱っているのは「コケ緑化」。コケは乾燥に強く、土壌を必要としないことからメンテナンスもしやすく緑化にしやすい。特にスナゴケは乾燥しても仮死状態になり、水を与えれば再生するという何度も生き返る便利な性質だ。同社の再強度発泡スチロールと一体化した「コケボード緑化工法」ではトタン屋根向け、ユニットを敷き並べるだけの「コケユニット緑化」は屋上にシンプルに始められる。また不織布に縫製し接着剤やビスで建物に固定したり発泡スチロールに吹き付けたり、植物の中では加工しやすい。代表取締役山本正幸氏は「屋上だけでなく、コメケでしたら壁の緑化も可能です」と語る。ビルと言えば灰色のイメージだが。明るい緑のビル群の光景が見られる日も来るだろう。

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