不動産トピックス

クローズアップ 省エネ編

2018.06.25 14:43

 ビル管理では「省エネ」は常に検討事項の一つ。コスト削減の方法は様々だ。身近な「窓ガラス」に着目すると、空調コスト削減や有害な紫外線カットなど、快適な職場環境づくりも兼ねて取り組むことのできる方法もある。この10年ほどで窓ガラス塗料の品質は大幅に向上したという。他にも電力の節約方法は多々あるが、夏の暑さ本格到来の前に一考の価値あり。

塗料コーティングで空調コスト削減 室内温度2度から5度涼しく省エネ 
UI-シールドで太陽の熱戦と紫外線同時カット
 ビルメンテナンスのKeishin(大阪市中央区)は、管理サービスの一部に取り入れているのは「ガラス革命」。無色透明のコーティング剤をガラス窓に塗布し紫外線や近赤外線をカットし、コスト削減につながるというものだ。
 この液体塗料「UI―シールド」は有害紫外線を99%カット、近赤外線も約50%カットし、室内温度を2度から5度下げるためエアコンの消費量が最大20%減少するという。
また可視光線浸透率は80%と、「明るい日陰」が実現するため室内照明も使用量が減り、電気代の節約につながる。
 これらの利点に加え、同社の高い塗布技術がある。チャンネルと呼ばれる棒状の専用道具に「UIシールド ハイパー」を浸み込ませたスポンジをセットし、クリーニングの要領で上から下まで塗布する。
 塗布後の塗膜は約一時間で固まるが、完全に塗料が乾燥し、ガラスに密着し一体となるまで20日間ほどかかる。
 塗布後10日間は清掃も控えなければならないが、完全に塗料が固まれば耐用年数は約10年以上である。完全に硬化すれば掃除による傷も付きにくく、気象による劣化もない。
 この塗布作業はビル内部で窓ガラスの内側からの作業であるため、天候に関係なく作業が出来ることが利点のひとつ。
 一見簡単そうに見えるが薬剤を均一にガラスに塗布する作業は難易度が高く、熟練を要する作業だ。スポンジに含める液材の量もガラス幅に合うように綿密に都度計算されており、透明とはいえ、塗り継ぎが生じないようにしなければならない。
 製造元であるメーカーのダイフレックス(東京都新宿区)は「UI-シールド施工技術者認定証」を発行しているが、本製品の塗布レベルによる効果の差を重要視している現れであろう。 
 東京都の環境学習リーダーでもあるKeishinの東日本事業部副部長である山田勤氏は、「当社は約10年ほど前からガラス用遮熱コーティング施工を行っておりましたが、東日本大震災後は特に国も省エネ対策に注力するようになり、近年になって少しずつ認知度が上がってきたように思います。東京都庁などの公共施設や『ららぽーと』などの商業施設などで実績がありますが、今後はより一層多くの方々に知ってほしいと思います。一日中ブラインドはもったいないですね、『窓ガラス対策』が当たり前になる社会が来ることが理想です」と語る。
 環境とコスト削減の一石二鳥の「窓ガラス対策」、ご一考を。

エコスタイル 太陽光発電による節電
 太陽光発電事業を中核とした再生可能エネルギーの普及促進を展開しているエコスタイル(東京都千代田区)は、初期費用0円で自家消費型太陽光発電を導入できる「オンサイト太陽光発電サービス」を、高圧・特別高圧事業所向けに提供を開始いした。
 同社と提携するリース会社が所有する太陽光発電を、初期費用0円で顧客施設へ設置し、そこで発電した電気を安く購入することで、初期費用の負担なしで電気料金を削減できる仕組み。さらに、オンサイト太陽光発電の導入と新電力(エコスタイルでんき)への切り替えをする事で、電気料金の削減効果が高まる。設置費用は当社が提携するリース会社が負担するため初期費用は不要。燃料調整費による価格変動もないため、今後、電気代上昇が見込まれる化石燃料などで発電した電気の購入量を減らすことができる。さらに太陽光発電パネルを屋根に設置することで、夏場の直射日光を遮り、室内の温度上昇を抑制し、空調負荷を軽減。こちらも検討価値あり。

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