不動産トピックス

クローズアップ トイレ編

2018.06.18 16:36

 普段から使用するトイレが不衛生であったり、災害時に全く機能しなかったら、入居テナントにとっては不満の対象だ。だがオーナーとて毎日のビルの維持・管理業は大変。そこで今回は双方の悩みを解決するトイレ製品をまとめてみた。

水や化学薬品も不要の未来型エコトイレ 尿石も予防でき長期的な目線での導入メリットもあり
セットアップ横浜 営業部長 山田紀雄氏
 奈良建設(横浜市港北区)の100%子会社であるセットアップ横浜(横浜市港北区)は、水や化学薬品、電気などを使用しない未来型のエコトイレ「URIMAT(ウリマット)」を販売する。
 「URIMAT」は、水を使用しない無水式の男性用小便器。スイスのウリマット社が開発し、世界45カ国・約50万台以上の販売実績を持つ。国内でも多数の施設・建物に採用されており、主に震災直後の断水時におけるBCP対策やエコの視点で導入するケースが多い。この性能・実績を評価し、セットアップ横浜では仮設トイレにも組込んだ商品を今年から取り扱いを開始した。
 営業部長の山田紀雄氏は「従来までの水洗トイレと比較し、施工費用やランニングコスト、メンテナンス等々に至る費用まで節約可能な製品です。特に水の供給がストップした災害時には、問題なく有効に働きます」と高く評価する。同製品は便器の差材に、圧力1600tで一体成形された特殊素材マクロロンを採用。他社の便器よりも軽い4・5kgでありながら、優れた強度と耐久性を持つ。結果、他の陶器のトイレよりも軽い便器のため施工も簡単で、密度が陶器の約150倍という滑らかな表面は汚れにくい特長も持つ。また洗浄方法は、天然の有用微生物(バクテリア)の働きを利用して行う。スプレーやボトルに汚れや悪臭を分解するバクテリアを入れた「MBアクティブ・クリーナー」を使い、朝・夕に約10回程度便器へ吹き掛けるだけ。従来よりも清掃時間を短縮でき、かつ水使用におけるランニングコストも削減できた。
 更に排水口から逆流する悪臭の心配も必要ない。「URIMAT」には「MBアクティブ・トラップ」という、便器本体に組み込まれた交換可能なカートリッジがある。これは尿がトラップに排出される時以外に開かない、ゴム製の垂直密閉膜。尿が流れ終わると膜は直ぐに閉じてしまい、排水口からの臭気の漏らしを防ぐ。加えて「MBアクティブ・クリーナー」と同じバクテリアを利用した、固形クリーナー「MBアクティブ・キューブ」も内臓。固形クリーナーが溶け出す効果で、管内でのアンモニア発生を抑制し、尿石の結晶化を防ぐことができる。使用の経過により排水管内にはヘドロ状の沈殿物が溜まっていくが、これをトラップ交換時に水で洗い流すことで、排水管を継続して良好な状態に維持し、詰まりを予防することができる。設置した台数によっては定期的にメンテナンスチームが伺い設備維持を行うサービスもある。
 山田氏は「『MBアクティブ・キューブ』と『MBアクティブ・クリーナー』の効果によって、尿石の結晶化を防ぐことができます。尿石は排水管の詰まりや劣化、臭気の元に成ったりします。それを防ぐ効果も御座いますので、長期的な目線でも導入メリットは絶大です。その結果、駅のトイレや公共施設、大型商業施設などでも導入するケースが増えています。水を使用しないエコであることや災害対策として導入することが設置要因の大半と思われますが、設備の長期的な正常維持や悪臭防止による清潔確保なども理由と思われます。もちろん、テナントビルでも同様の効果が御座いますので、ビルオーナーには最適なソリューションと思われます」と効果について語った。

TOTO 新製品を8月1日から発売 ノズルの外側・内側を自動で洗浄・除菌する機能搭載
 TOTO(北九州市小倉北区)は、清潔な除菌水によるノズル除菌機能「ノズルきれい」を全てのタイプに標準搭載した、新「ウォシュレットS」及び新「ウォシュレットSB」、タンクをモデルチェンジし組み合わせた新「ピュアレストQR」をいずれも8月1日から発売開始する。
 新製品のウォシュレットに搭載されている「ノズルきれい」は、清潔な除菌水でノズルの外側・内側を自動で洗浄・除菌する機能。これまでは「ウォシュレットS」を一部タイプのみに搭載していたが、このクリーン技術をより多くに利用できるよう「ウォシュレットS」及び「SB」の全てのタイプに標準装備した。また、操作パネルには日本レストルーム工業会(名古屋市東区)が策定した「標準ピクトグラム」を採用。主要8機能の標準ピクトグラムを日本のトイレメーカー各社が採用していくことで、誰でも解り易く安心して操作できるトイレ環境整備を進めていく。
 タンクをモデルチェンジし組み合わせた新「ピュアレストQR」では、手洗いありと手洗いなしの2タイプを用意。手洗いありタイプではボウルの深さを従来品より深く設計し、手洗いし易く水はねを軽減。手洗いなしタイプでは従来よりも61mmタンクの高さを低くコンパクトにし、より広がりを持ったトイレ空間を実現した。また、同社だけの「セフィオンテクト」や「フチなし形状」など清潔機能を多数搭載している点も特長である。

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