不動産トピックス

クローズアップ オフィス家具編

2016.01.18 14:12

企業の効率化を進めていく上で重要なのは環境である。ワーカーが自らの業務内容に合わせて働きやすい場所に出向いて働くという環境をつくることで、一層の効率化を実現することができるだろう。今回はオフィスの環境を変化させるオフィス家具について紹介していく。

内田洋行 ワーカーの生産性の向上を図る製品を提供
 内田洋行(東京都中央区)が提唱している「アクティブ・コモンズ」とは固定席ではなく、ワーカー自らの業務内容に合わせて働きやすい場所を選択して働くということ。これまでは生産現場での効率化に注力をしていた企業が多かったが、近年ではどちらかというとデスクワーカーの生産性をどのように上げていくかが問われている。「アクティブ・コモンズ」はそのようなデスクワーカーの生産性を向上させることを背景にスタートが行われた。
 同社は平成23年のオフィス移転をきっかけに、営業や開発の社員によって働き方や働く環境の変化を実践しながらデータを取っている。特に昨今ではITの発展により働き方も急速に変化していることで、働き方も20年前とは異なっている。そのため実験を繰り返しながら、社員の提案も聞きながら実践データを取りながら製品の開発を進めている。実践していく中で、社員の情報共有やコミュニケーションを取ることで効率をどのように上げていくのかをいろいろ協議しながら、例えば紙ベースだったのをタブレットに変えることで資料の作成にかかる時間の短縮することや情報共有を簡単にすることで効率化を図っているという。デザインや利用の仕方だけではなく、運用の仕方まで踏み込んだ製品を同社では作成している。
 働き方を変えるという発想は総務省でも行われている。内田洋行が導入した個人の席を固定しないグループアドレスやペーパーレスによる印刷物の削減、ICTを活用することで情報の共有や会議室以外での打ち合わせも可能になっているなど、働き方の変化による効率化は一般企業のみだけではなく省庁で行われつつある。
 営業本部営業統括グループオフィス商品企画部の高澤彩香氏は「弊社はお客様の働き方に合わせて、効率的に働けるオフィス環境を提供しています。営業や開発の社員が自ら働き方や働く環境の変革に取り組み、さらにそのオフィスでのデータについては企業内研究所である内田洋行知的生産性研究所では科学的な観点から働き方の分析をしています。こうしたことを背景に商品開発部では研究結果に基づいた家具を開発・提案することができます。なかでも、アクティブ・コモンズは自社内で実践していますので、社員の働き方や働く環境の変化を実践しながらとったデータなどを活かして、様々な働き方に応えられる商品開発を行っております。コモンズテーブルシステムは、組織やプロジェクトに応じてレイアウトを簡単に変更できるテーブル型のデスクです。用途に合わせて選べるよう、脚のタイプや天板の形状のバリエーションを豊富に用意しています。天板の形状はお客様と相談して、最適な形状を提案する場合もあります。その他、テーブルのみならず、周辺のファニチャーやモニターなどのICTのパッケージと組み合わせることで、よりお客様の働き方に合った提案ができる点を強みにしています。テーブル型のファニチャーが増えてきている背景として、ワーカー同士でのコミュニケーションが取りやすく、チームとして働きやすいというメリットがあります。介護や子育てによってフルタイムで働けない人が増えていくとチームで協力しながら効率的に業務を行うになり、テーブル型のファニチャーが増えていくのでしょうか。ICTの発展に合わせて働き方も変化し続けているため、弊社はこれからも引き続き働き方を追いかけながら、お客様の最適な働き方を提案できるようにしていきたいと考えています」と語ってくれた。 
 現在、企業のみだけではなく大学でもディスカッションでフレキシブルに動きながら学習していくアクティブラーニングも実践されつつあるなど、働き方のみならず、学び方も時代に合わせた変化がこれから進んでいくのではないだろうか。


プラス 災害時にも安心なオフィス用スタンダードデスク
 プラス(東京都港区)は、デスクの鍵を1カ所施錠するだけですべての引出しをロックすることができる、同社独自のキーソリューション「ワンアクションロックシステム」を標準装備したオフィス用スタンダードデスク「US―1(ユーエス ワン)」を平成26年1月よりリニューアルした製品を販売している。加えて同製品には、非常・災害時にトレー引出しの飛び出しを防止する「ラッチ機構」を標準装備となっている。
 「US」は、「高品質(K)・低価格(T)・グッドデザイン(G)」戦略に基づいて開発。平成24年1月に発売以来、独自の「ワンアクションロックシステム」機能や様々な形態のオフィスにも似合うシンプルなデザインが高評価を得ている。またトレー引出しにラッチ機構を標準装備しスマートな開閉式配線カバー付きでどこからでも配線がとることができる。これによって非常時や災害時などでの飛び出し防止に配慮することが可能となり、安心・安全性を高めたものとなっている。
 「ワンアクションロックシステム」はセンタートレー右にある鍵1カ所を施錠するだけで、袖キャビネットはもちろん、センタートレー・サイドトレーも同時ロックすることできる。両袖机の場合、1カ所の施錠により7つの引出しを同時にロックが可能だ。この機能からノートパソコンなどの大切な情報機器や個人情報書類等の収納に最適だ。電源・電池が一切不要の省エネ設計ですから、停電時にも安心感を持って使用することができる。
 同製品の本体色はホワイト、天板色はホワイト、ホワイトメープル、ミディアムウッドの3種類を用意。価格(税抜)は平机5万4300円~、片袖机7万9900円~、両袖机12万6200円~となっている。

キングジム オフィスチェアに取り付けられる荷物置き
 デジタル文具等のメーカーであるキングジム(東京都千代田区)は、オフィス環境改善用品としてユニークな収納グッズを販売した。その名も「イスの後ろのカバン置き」だ。
 従来、オフィス内で個人の荷物の置き場所がない場合「床に直接置くと荷物が汚れる」、「荷物をデスクに立てかけると引き出しが開けにくい」などの不満点があった。同製品はこうした背景に着目し、オフィスチェアの背もたれにある「今まで使われていなかった空間」を荷物置きとして有効活用する。
 取り付け方は非常に簡単。本体のベルトをオフィスチェアの背もたれにかけ、長さを調整し、固定用のひもをオフィスチェアの支柱に付ければ完了する。ベルトの高さや取り付け方を自由に調整できるため、様々な形状、高さのオフィスチェアに対応できる。また、前面には書類などを一時的に収納できるポケットが付いているのも使い勝手が良い。
 収納できる荷物は約3kgが目安。落下防止ひも付きで、イスが揺れた時でも荷物の落下を防いでくれる。ただし、5本脚のオフィスチェアへの取り付けを想定しており、パイプイス等の5本脚でないイスへ取り付けると転倒する可能性があるので注意したい。


サンワサプライ 周辺機器一式をまとめて収納できるパソコンラックを発売
 オフィス家具の製造メーカーであるサンワサプライ(岡山市北区)は24インチディスプレイとパソコンに加えてプリンタなど周辺機器一式をまとめて収納できるパソコンラックを昨年12月に発売した。
 今回発売したパソコンラックは「RAC―EC31」、「RAC―EC32」、「RAC―EC33」の3種類で、標準のデスク幅80~100cmに比べ、作業者一人分のスペースを幅60cmとスリムに抑えられるので、狭い部屋でもラックを並べて使いやすく、オフィスでのパソコンラックの大量導入におすすめの製品である。
 天板の前方2つの角には丸みを付けており、接触による事故防止となる。またキャスター付きで移動させやすく、位置固定用のストッパーが前側2つのキャスターに付いていることも特長だ。
 パソコンラックの天板の総奥行きは、種類によってバリエーションが異なり、天板上のスペースが通常のタイプに比べ大きい事が特長だ。4段階で高さを50mmピッチごとに変更できる上棚と、3段階で位置を変更できる下棚が付属している。未使用時に収納できるマウステーブル付きで、移動時に邪魔にならない。

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