不動産トピックス

クローズアップ 省エネ編

2015.11.09 17:15

 今日、ビルの省エネ化はビルオーナーの義務という風潮になっている。電気代の節約のみならず環境にも配慮したビル経営がもとめられている。今回は様々な分野の省エネ事業で活躍している企業を紹介していく。

KONDEN 電気料金を従来より80%カット
 KONDEN(滋賀県湖南市)が提供している「KOD700」と「KOD400」は高天井用のLED照明。
 LEDの特性である光の直進性を反射板を利用することで拡散させ、従来のLEDでは照らすことができない部分を照らすことができるという点が特徴。
 東京支店支店長の森垣秀一氏は「一般的な400Wの水銀灯と比較すると、消費電力を約8割カットすることができます。工場や倉庫など24時間点灯させている場所だと、早くて約3年で初期投資コストを回収することができます」と語る。
 電気代のみではなく発電におけるCO2の減少にもつながり、環境にも貢献することが可能である。
 「水俣条約によって平成32年には水銀を使用した蛍光灯の生産は中止となります。それまでの期間で早めにLED照明に交換することで電気料金を減らすだけではなく、設置コストを軽減させることが可能になります」と森垣氏は話す。
 同社は主に工場や倉庫向けのLED照明を提供しているが、一部ビル向けの設置も行っている。

ニューテック 次世代に向けた新冷媒
 ニューテック(東京都中央区)が販売している省エネ型ノンフロン新冷媒ガス「R443A」は、空調機にかかる消費電力を10~40%削減することができる。
 同製品は炭化水素系混合冷媒として世界で唯一、ISO0817(国際基準化機構)で定められた冷媒番号(通称Rナンバー)をASHRAE(米国暖房冷凍空調学会認証)にて登録されている。
 省電力に加え、空調設備の稼働音を抑えることが可能。
 機器の負担の軽減による長寿命化効果も果たす。
 さらにはノンフロン冷媒ゆえに、オゾン層の破壊や地球温暖化といった地球の環境悪化にも配慮されている。
 「R443A」は新規の設備投資を必要とせず、既存の空調機のガスを交換するだけで省エネを実現することができるため、これからの時代に即した製品である。

東洋エンジニア BEMSに対応した空調コントロール
 東洋エンジニア(滋賀県大津市)はBEMS controller「かんデマ」を製造販売している。
 BEMSとはビルエネルギー管理システムのこと。空調などの設備の運転を管理することで、消費電力などを抑えることができる。
 「かんデマ」の特徴は設定した目標のデマンド値(30分間に使用した電力の平均使用電力)を超えると予測された時点で、自動的に3分ごとの空調機の間引き運転を行うことにより、デマンド値を調整する。
 空調は最大で9グループに分けることができ、また個別にコントロールができ、全部の空調を停止する必要がない。
 また、最大デマンド値を超えるような状態でなくとも空調機の間引き運転を行うことが可能。電力使用量を削減することができる省エネモードもあり、節電の度合いも選択することができる。
 平成12年以降に製造されたエアコンであれば、ルームエアコンやGHP、吸収式空調機を除き、ほとんどのメーカーのものに設置可能となっている。
 設置にはおおがかりな設備と費用は必要とせず、空調機の制御を柱にしたパッケージを提供している。
 また拡張機能をもっており、オプションツールをつけることで空調機能のみではなく照明や温度センサー等の自動制御も行うことが可能だ。
 「かんデマ」は京都府及び滋賀県の認定をうけているため信頼性も高く、補助金の導入対象ともなっている。

エコ・プラン 省エネをトータルでサポート
 エコ・プラン(東京都新宿区)はビルや商業施設の省エネ調査から工事、さらには各種行政の補助金申請の支援までをトータルして請け負う「省エネコンサルティング」会社。
 空調機の分解洗浄、修理などのメンテナンス、更新工事、照明や換気設備さらには通信や電気の設備工事も行っている。
 空調メンテナンス事業部東日本エリア部長の水谷忠宣氏は「多くの省エネ事業者は省エネ事業にあまり人員をかけていません。しかし、弊社は約300人のスタッフを抱えています。この人数を生かして省エネの提案や工事から、メンテナンスや修理などのアフターフォロー、そして補助金の申請など、省エネをトータルでサポートしております。多くの人員を生かすことによって、全国各地のお客様にスムーズで最適な省エネをご提案しています」と語る。
 豊富な人材を生かすことで24時間365日の電話受付を行っており、機器の故障に対して迅速に対応をすることが可能となっている。また、1つのメーカーのみではなく様々なメーカーに対応することが可能。そのため、顧客の要望にあった機器の提案など顧客目線でサービスを提供している。
 水谷氏は「今後はエネルギーマネジメントにも力を入れていきたいと考えています」と今後の抱負について語った。

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