不動産トピックス

クローズアップ 非常食編

2015.03.09 11:18

 ビルオーナーにとって看板はあまり馴染みのあるものとは言えないだろう。しかしながら、テナントサービス、ビルのイメージ向上に看板は欠かすことができない。コストの削減、最高の演出、安心・安全の看板にするためにどのようなサービス・製品があるか。各社が取り組むサービスや製品を覗いていこう。

楽画企 360度配光の看板用LED照明を販売
 省エネや補助金申請など電気料金削減をサポートしている楽画企(東京都江戸川区)は江戸川区内の電球部品メーカーが開発した内照式看板、袖看板専用LED「ADライト」の販売を行っている。
 これまでLED蛍光灯はヒートシンクがあるため360度配光は難しく、また屋内仕様のために熱に弱かった。しかし、同製品では120度耐熱のシャープ製の特別仕様LEDを採用することでヒートシンクを不要とし、輝度ムラがない広配光、さらには灯数を3分の2とすることに成功した。また、高所にあるビル看板は、不点灯修理に際して高所作業車等が必要となるなど、メンテナンス費用が多いのが悩みの種としてあった。同製品は品質にも万全を期し、発売3年で不良ゼロを継続中。同社代表取締役の辻川英章氏はオーナーが同製品を導入することのメリットについて次のように話す。
 「LEDは耐用年数10年と長く、不点灯修理のメンテナンス費用を削減できます。また照度(30%)減衰期間が、蛍光灯は1年に対してLEDは10年と長く、長期間明るさが持続し、電気代も少なくなります。さらにADライトは耐熱、防水仕様になっているので、屋外の環境にも十分耐えられます」
 口コミで広まっている同製品だが、今後の看板を考えていく上でキーアイテムとなりそうだ。

アイワ広告 看板を演出して集客率もビルの価値も向上
 集客力向上に貢献する看板の制作を得意としているアイワ広告(東京都町田市)。飲食店などの看板の他にも、ビルのテナント看板から各業種の店舗看板などのコンサルティング、設計を手掛けている。
 同社代表取締役社長の小山雅明氏はビルのテナント看板について「繁華街などにあるビルではテナント看板が雑然としており、どのようなテナントが入っているのかがはっきりしないことが多くあり、オーナー側に対するクレームにつながっている事例も多くあります」とその重要性について指摘する。同氏は雑然としたテナント看板がひいてはビルの価値の低下につながると警鐘を鳴らす。
 同社では都内のあるビルで雑然としたテナント看板を動画化することで、各テナントをわかりやすく紹介するとともに、雑然さを無くすことでビルのイメージアップも実現した。小山氏は「ビルは地域のランドマークになる建物ですので、雑然性を無くしていくことはその土地の価値向上にもつながっていくのではないでしょうか」と話す。
 テナント看板にも目を向けてこそ、テナント満足度もイメージも上昇するビル経営を可能にするのではないだろうか。

ケイ・サイン 事故を繰り返さない看板も安心・安全へ
 ケイ・サイン(東京都千代田区)では看板のメンテナンスを行っている。先日、北海道で飲食ビルでの看板落下事故が起きたことは看板のメンテナンスの重要性を再認識することとなった。メンテナンスを欠かした結果の自己の場合、当然のように責任を問われるのは看板の設置者だ。
 同社では看板の清掃から看板内部の電球の漏電のチェック、看板を支えているボルトやナットの点検などを行っている。看板の日々の清掃はイメージの向上にも欠かすことができない作業だが、電球の漏電チェックは火災予防、ボルト、ナットの点検は落下事故に対する予防からの観点が強い。劣化していた場合、強風によって看板が落下してしまい重大な事故につながる可能性も高い。特に高所に看板を掲げているビルのオーナーはメンテナンスを欠かさずに行うとともに、その看板がテナントによるよる設置物であれば、先日の事故を教訓に強く注意喚起を促したいところだ。

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