不動産トピックス

クローズアップ 宅配ボックス編

2014.09.01 16:44

 住居用マンションには設置されていることが当たり前になりつつある宅配ボックス。不在時でも荷物の受け渡しを可能にするためオフィス・商業ビルへ導入すればビルに付加価値をつけることができるのではないだろうか。

 賃貸アパート・マンションの錠前の開発・販売を主力事業としているオプナス(東京都千代田区)では錠前技術を生かした宅配ボックスの開発も行っている。同社が開発している宅配ボックスは機械式を採用しており電気式宅配ボックスで掛かる電気代を抑えることができる。また機械式は電気式よりも長寿命でより長期間の仕様が可能。同社が開発する宅配ボックスは低コスト・長寿命・安全性に加えて、同社独自の錠前技術も導入しているため、より簡単な操作が可能となっている。
 「約3年から発売している折りたたみ式宅配ボックス『Multus』は導入後のコストがかからない機械式を採用しています。また当製品の最大の特徴は積み重ねや横に並べるなどの組合せができることにあります。設置場所環境に適した数を増設する、景観に合ったレイアウトを組めるため中小ビルなどに導入しても効率的な運用を実現します」(販売管理本部 管理課課長 高岡 江次氏)
 さらに「Multus」は未使用時には折りたたみ、コンパクトに収納しておくこともできる、保管スペースを大幅に削減する宅配ボックスとなっていると同氏は語った。
 「多様化する生活スタイルや通信販売の流行により宅配ボックスの需要はこれからも増えていくと予想しています。現在、当社では屋外でも使用可能な宅配ボックの開発を検討するなど、生活をより豊かにする商品の開発につとめていきます」(高岡氏)
 宅配ボックスの最大手フルタイムシステム(東京都千代田区)が展開するネットワーク式宅配ボックス「フルタイムロッカー」。同製品は同社が発行する磁気カードやICカード、または交通系ICカードをかざすだけで利用でき、簡単でより高い防犯性も実現している。また不在時の荷物の受け渡し機能に加え様々な機能を追加できる。同社、プロジェクト推進部マネージャーの唐沢徹明氏は同製品について次のように語る。
 「宅配ボックス『フルタイムロッカー』はネットワーク式を採用しています。電話回線やネット回線を通じ弊社が運営する365日24時間体制のFTSコントロールセンターにつながっているため、万が一の際にも迅速に対応できます。コントロールセンターにICカードの情報を登録することでオートロックの解錠や不在時に訪問してきた人の画像データ、荷物の到着などの情報をメールで受け取れるセキュリティオプションも追加できます」(唐沢氏)
 また同製品にレンタルサイクルシステム「フレンツ」を導入・連動することで建物の住人・テナント同士で自転車や自動車のシェアが可能になる。 
 「『フレンツ』は宅配ボックスの一部を鍵・充電器の貸し出しスペースにすることで無人での自転車や車のシェアを実現するシステムです。貸し出す際もICカードを使用するため、ボックスにかざすだけで、取り出せます。コントロールセンターと連動しているので、管理者や住人がリアルタイムで利用状況も確認できます」(唐沢氏)
 コントロールセンターと連動した宅配ボックスは他のメーカーにはあまりみられない。同社は今後も24時間365日体制のコントロールセンターを生かした開発を続けていく方針だ。

 プロボックス(東京都千代田区)はどんな物件でも使用できるようにオーダーメイドで作成するオリジナル宅配ボックスを展開している。スペースの関係上、宅配ボックスの設置が難しいとされる建物でも宅配ボックスの幅を伸び縮みさせることや奥行きを調節することで、どんなスペースでも設置可能になる。また建物の景観にあった色にすることも可能となっている。
 「当社は創業以来、どんな場所でも対応できる宅配ボックスの開発を行っています。約2年前からは屋外でも設置できる屋外型『防雨宅配BOX』を発売しており現在、特許出願中です。当製品はこれまで置けなかった屋外に設置できるよう内口部に雨よけのサッシを取り付けるなどの防水機能を備えていることが最大の特徴です。また機械式なので電源は不要でメンテナンスも不要、当製品も設置場所に合せてオーダーメード仕様にすることができます」(代表取締役 米倉 正氏)
 同社は「防雨宅配BOX」の他にも電気式宅配ボックスやセキュリティ性の高い「集中制御宅配ボックス」など幅広い種類の商品を取り扱っている。また導入する際にかかる初期費用を軽減するためリースや割賦販売も行っている。
 「どんな宅配ボックスがあればユーザーが喜ぶかを常に考えています。他社が行っていないことでもユーザーが望むことがあれば対応していきたいと考えております。今後もより安心して仕様できる質の高い宅配ボックスを開発していきたいです」(米倉氏)

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