不動産トピックス

クローズアップ 分煙関連サービス編

2013.11.25 12:04

 禁煙および分煙の流れが加速し、喫煙者にとっては肩身の狭い思いをすることが多い時代である。とはいえ、ビルオーナーにとって喫煙者への対応は、リーシングに関わる重要な問題。そこで、本特集では分煙関連サービスを紹介する。

クリーンエア・スカンジナビア 高い捕集率でにおいを漏らさない分煙キャビン
 クリーンエア・スカンジナビア(東京都港区)は、オフィス及びパブリックスペースの分煙ソリューションとして、レンタル契約による分煙キャビンの設置やメンテナンスを行っている。
 数十年前のオフィスでは、フロアがタバコの煙でかすむといった光景は当たり前のものだったが、近年ではそのようなオフィスを見かけることはほとんど無くなった。その背景には、タバコの受動喫煙や臭いなどの問題があり、現在ではオフィスの分煙対策は快適なオフィス環境をつくる上で必要不可欠な取り組みとなっている。とはいえ、既存ビルに喫煙ルームを設置するには、排気口の設置など建物の構造に関わる問題などを解消しなくてはならず、仮にこうした問題を解消できたとしても設置工事費用を捻出しなくてはならないといったように、ビルオーナーにとってはクリアすべき課題が多い。
 クリーンエア・スカンジナビアが展開する分煙キャビンは、スウェーデンで開発された分煙システムを活用したもので、ヨーロッパでは25年間で5000台、日本では5年間で300台の導入実績を誇る。その導入企業も世界を股にかけるグローバル企業から日本の大手企業まで名を連ねており、信頼性の高い分煙システムであると言えるだろう。
 特徴として挙げられるのは、スウェーデン国立試験・研究機関による検証実験の結果として出た、99・99966%という高い粉じん捕集率である。また、同システムは通常の空気清浄機では除去できないタバコの臭いのもとになるニコチンの捕集率も99・9%を誇る。
 ただ、いくら高い捕集率を誇る喫煙キャビンを設置してもタバコの臭いを完全に捕集できず、テナントからのクレームにつながるという懸念を持つオーナーもいるのではないか。
   「当社の分煙キャビンのコンセプトは『分けるべきはタバコの煙であって、人ではない。』というものです。そのため、原則として分煙キャビンを密閉せずに、喫煙者と非喫煙者がコミュニケーションを取れるようにしています。もちろん、密閉しないことから、煙や臭いが漏れるのではと心配される方もいらっしゃいますが、高い捕集率を誇る分煙システムにより、煙と臭いをキャビンの外に漏らすことはありません。当社のショールームに実機を設置していますので、是非ご体験ください」(社長 清水 グレン氏)

トルネックス タバコ臭気対策用特殊吸着剤を配合
 トルネックス(東京都中央区)は、オフィス、商業施設の喫煙室に最適な高性能プラズマ集塵脱臭装置「トルネックス プラズマフレッシュ」を販売している。
 同製品の特徴は、トルネックス独自のノウハウをもとにタバコ臭気対策用特殊吸着剤を配合、タバコの臭気成分を装置に1回通過させるだけで約92%除去する点にある。タバコの臭いの主成分であるアンモニア、アセトアルデヒドで95%以上、酢酸で95%以上除去することができる。さらに、フィルタを1回通過した時の脱臭効果だけでなく、脱臭効果の持続性も高いので、1万2000本のタバコの煙を処理後でも約92%の脱臭効果を維持することが可能となっている。また、タバコの主なガス成分であるTVOCについても95%以上除去。粉じんについても97%以上の除去が可能となっている。

カルモア 調査分析から消臭・脱臭対策までにおいに関するあらゆる解決法を提案
 建築物の臭気対策・コンサルテーション、脱臭装置の開発・販売など、臭いの専門家として一般家庭からオフィスビル・産業用施設まで幅広く対応してきたカルモア(東京都中央区)。同社は現在、臭気調査・分析・脱臭を手掛けるプロサービスチームを組織し、建築物全般の臭気の問題に対するソリューションを提案している。
 オフィスビルにおける臭いに関する最も多い問題の一つが、タバコの臭いだ。法改正により、企業での受動喫煙防止の取り組みが進み、オフィスフロアに喫煙スペースを設置するテナント企業や、ビルの共有部への喫煙スペースの設置によって分煙化を図るビルが増えている。しかし、タバコの臭いはほんの小さな隙間からでも漏れる。そのタバコの臭いがテナントからのクレームにつながった、という経験を持つビルオーナーも少なくないだろう。実際にカルモアのプロサービスチームには、日々このような相談が舞い込んでくるという。
 「ビルによって臭いが漏れる原因は異なります。ですから、スタッフを現地に派遣し、トレースガスによる侵入経路の調査、高感度センサーと解析装置による臭いの調査分析を行ったうえで、適切な消臭・脱臭対策を実施します。また、喫煙ルームの脱臭については酸素クラスター除菌脱臭装置『Levion』の設置もご提案しています」(空気環境事業本部 本部長 村岡 公裕氏) 
 臭いの問題はいつ発生するか分からない。くわえて、タバコの臭いに限らず、ごみ収集所から発生する臭いや飲食テナントから発生する臭いなど、その要因も様々だ。臭いの問題は緊急性を要することも多いことから、ビルオーナーとして同社のような臭いの専門家を味方につけておくべきだろう。

PAGE TOPへ