不動産トピックス

クローズアップ 防水編

2013.10.28 11:33

 建物の長寿命化に大きく貢献する建物の防水加工。とりわけ昨今ではゲリラ豪雨発生時などに屋上からの漏水被害に遭うケースも散見されるなどして、防水加工の必要性も注目を浴びている。しかしながら、いったん漏水してしまうと、その原因を判別することは、非常に難しいとされている。建物では、あらかじめ被害が発生しないよう十分な防水対策が必要と言える。

昭石加工 防水に長年の実績あり
 昭和シェル石油の100%子会社である昭石化工(東京都港区)は、昭和28年の創業以来、建築・土木用防水材や道路舗装用合材のメーカーとして、営業を展開してきた。
 なかでも、ビル・マンションなどの建物や、ショッピングセンターの大型屋上駐車場等の新築時の防水や防水改修工事に関する多くの実績を持ち、防水材の製造販売から、防水工事(首都圏のみ)まで幅広く展開している。
 防水工事は建物の屋上やベランダ、廊下、階段などに施されるが、その理由は、単に防水が建物を雨漏りから守るだけではなく、雨水の侵入による建物の劣化も防止している。かつては防水材としてはアスファルトルーフィングを積層するアスファルト防水が主流だったが、アスファルトを溶かす際に発生するにおいや煙が環境面で問題とされるようになった。そのため、改質アスファルトシートを使うことで、従来のアスファルト防水よりもルーフィングの積層枚数を減らすことができる改質アスファルト防水多くなり、環境負荷低減に貢献している。
 新築・既築や施工場所など、ユーザーのニーズに応えられるよう、改質アスファルトシートを使用した熱工法、トーチ工法、常温工法と複数の工法のなかから最適なものを選ぶことができる。
 「10年間の防水保証と昭和28年の創業以来60年に及ぶ数多くの実績は、お客様にとっても大きな安心を実感していただいています。また、ビルオーナーが屋上に上る機会は少ないと思いますが、屋上防水を適切に維持するためには、定期的に屋上の状態を確認することが必要だと思います」(渡辺氏)

日立機材 施工後大がかりな改修工事が不要
 日立機材(東京都江東区)では、断熱機能を備えた屋上防水パネル「アクアロック」を展開している。
 「アクアロック」には断熱素材が組み込まれており、設置するとコンクリートの蓄熱を防止し、ヒートアイランド現象を抑制する。夏場のビル室内の温度は、最上階とその他の階では数度の差が出てしまうが、そのような最上階の室温上昇を防ぎ、冷暖房費用を低減する。実証実験によると、施工の有無により、最大で9・5度という室温差があった。
 また、建物の重要な部分の躯体保護効果があるため、長寿命化につなががる。
 製品は1・02mmのユニット化されたFRP成型パネルと断熱材が一体となった防水パネルのため、従来の工法と比較して約半分の作業省力化を実現する。後施工アンカーで機械的に固定するため、既存の防水層を撤去することなく施工することが可能であるため、建築廃材を低減し、環境負荷低減に貢献する。
 「アクアロック」施工後の20年後は、一般的に塗り替え工事を行うだけで、その他大掛かりな改修工事はほとんど発生しない(アクアロック工法を100%導入して施工した場合)。

住ベシート防水 太陽光電池と防水の両方を実現
 住ベシート防水(東京都品川区)は、建物全般の防水に携わり35年余の実績を持つ。同社が長年展開する防水システム「サンロイドDN防水システム」は、さまざまな躯体構造に適応し、改修時の下地調整が不要であるなど、付加価値の高いサービスを提供している。
 「サンロイドDN防水システム」のラインアップのひとつとして、同社は太陽電池一体型防水システム「サンロイドDNソーラーシート」を現在展開している。防水施工・改修と太陽光電池を同時に施工・設置できる。さらにアモルファスシリコン太陽電池(a-Si太陽電池)を採用したシートで、超軽量(2・2kg/㎡)かつ柔軟性を持つため、今まで太陽光電池の設置が難しかった体育館屋根などの曲面や瓦棒屋根にも設置することができる。
 同社によると「軽量で柔軟性が高い『サンロイドDNソーラーシート』は施工にかかる期間も短期で、特に既存建物の改修などに向いていると思います。太陽光電池も同時に設置できるということは、非常に差別化された防水システムだと考えています」とのこと。
 また、「サンロイドDNソーラーシート」は、2013年グッドデザイン賞を受賞している。

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