不動産トピックス

今週の一冊

2013.09.02 12:09

オーナーの利益を最大化するPM型管理のメリット

「改訂版」空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式
著者:大谷 義武
   太田 大作
発行:幻冬舎メディアコンサルティング
出版:平成25年7月2日
価格:1429円(税別)

 タイトルが示す「利益最大化」とは、オーナーが享受する利益のことである。収益が上がっても支出が増えれば利益は少ない。そもそも、日本を取り巻く環境がアパマン経営には逆風になりつつある。
 少子高齢化の影響は不動産賃貸業にとって死活問題だ。戦後から住宅不足が長らく続いた時代には、何もしなくても入居者は簡単に見つかり、賃料も一定水準を保っていた。しかし、少子高齢化による人口減時代に突入した現在、確実に需要は減る。競合物件に負けないように何らかの努力が必要なのは明らかだ。
 不動産賃貸業で「利益最大化」を目指す手法は様々だが、本書が勧めるのは「プロパティマネジメント(PM)型管理」である。
 アパマン業界では管理と客付けを一体で行う管理会社が主流になっており、この一体型管理会社がオーナーの利益最大化を阻害しているという。一体型管理会社の問題点は本書を読めばお分かりになるが、そもそも入居者とオーナー双方の立場に立つため、利益相反になる。「賃料を下げないと空室が埋まらない」という提案はオーナーの利益を下げること繋がる。こうした管理会社を起用している時点で「利益最大化」は難しいのではないだろうか。
 また、本書では管理の重要性にとどまらず、リフォームの基礎知識やリスク対策にも触れており、まさに「空室率40%時代を生き抜く」ためのノウハウが詰まっている。

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