不動産トピックス

今週の一冊

2013.05.06 15:43

地盤・沈下修正について消費者目線で解説

「家の傾き」が健康障害を引き起こす
著者 松藤 展和
出版 平成25年2月27日
発行 幻冬舎メディアコンサルティング
価格 1200円(税抜)

 東日本大震災では湾岸地域の液状化で数多くの住宅が沈下の被害に遭った。とりわけ深刻な液状化による被害が出た千葉県浦安市では約9000軒もの家が被害に遭ったうち、約5000軒はいまだ傾いたままであるとされており、住民はそのまま住み続けているという。震災から2年が経過し、頭痛やめまいを訴える住民が現れるなど、家の傾きによる健康被害が発生。主に三半規管や自律神経に変調をきたすことで起こるのではないかといわれており、症状の大きさは個人差があるとはいえ、知らぬ間に精神にストレスが蓄積し、鬱病になってしまったケースの報告もあるようだ。
 本書では地盤沈下修復会社の代表を務める著者が、傾いた家に住み続ける健康リスクを切り口にして、液状化も含む地盤沈下のメカニズムをわかりやすく記すとともに、いい土地の見極め方や住宅沈下の予防法について解説。また、各沈下修正工法のメリット・デメリットを紹介し、傾いた家の修正方法、工期や価格を客観的に比較している。
 本の内容は、第1章「ほんの少しの傾きで起こる健康障害」、第2章「震災後、気づかないうちに進行していく家の傾き」、第3章「健康障害を引き起こす、わずかな傾きを修復する4つの方法」、第4章「後悔しない沈下修正工法の選び方」で構成されており、地盤・沈下修正について深く理解できる内容となっている。

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