不動産トピックス

クローズアップ 駐車場・駐輪場設備編

2011.09.12 11:08

 駐車場・駐輪場を「たかが自動車や自転車を止める場所」と考えてはいけない。手入れの行き届いていない所で車上荒らしが横行するなど、ビルの管理状況を外部へ発信する意味で駐車場・駐輪場の管理は重要だ。安全・安心を守る設備を紹介しよう。

コミー 安全確認が行いやすい車出口用ミラー
 自分以外の人や物の動きなどを見る専用鏡を開発してきたミラーメーカーのコミー(埼玉県川口市)は、駐車場・車庫出口用ミラー「FFミラー車出口」を展開している。
 フラット型の形状によって使用環境に限定されることなく設置が可能となった同製品は視野が広く、目線と同じ高さに取り付けられるため、安全確認が非常に行いやすくなった点にある。その使い勝手のよさから、出車する際、左右の安全確認用として利便性が非常に高い。また、ミラーの表面にはUVハードコート処理がされており、傷が付きにくく、ミラー素材に使用される特殊プラスチックは耐衝撃性・耐候性に優れている。
 また、「FFミラー」を使用した製品には、車出口用だけでなく、ビルの通路に使用する「FFミラー通路」や航空機に導入されている「FFミラーAIR」なども存在する。
 「面白いから造ってみる」という遊び心の中から生まれたという同製品。現在ではエレベーターの挟み込み事故防止やATMの後方確認、航空機の手荷物入れの忘れ物チェック用としても活躍中だ。

完装 車庫入れが楽になる目印シール
 車庫入れで苦労したことのあるドライバーは多いのではないだろうか。そんな苦労を軽減するため、道路標示意匠を手がける完装(福岡市博多区)は、誘導反射シール「サンクリア」を開発。全国300カ所以上の施設で採用されている。
 同製品は、薄いアルミに細かいガラスビーズをコーティングしており、自動車の尾灯で光るため、駐車スペースの後部壁面に左右一対で貼ることで、バックミラーで確認しやすく、車庫入れ時の目印になる他、車止めへ貼れば空車スペースを横切る時やトランクから荷物を取り出す際の転倒予防にもなる。
 高齢者や障害者などのドライバーが増えていることを背景に、バリアフリーの観点から公共施設や大規模商業施設などで導入が進んでいるが、同製品の考案者である深見氏は、テナントビルの駐車場への導入も多大なメリットがあるという。
 「節電対策として駐車場の照明を落としている施設で安全性確保に役立ちます。また、シールを貼ることによって、駐車場にも目配りを行っているというアピールにもなり、車上荒らしなどの防犯対策も期待できます」
 利用者の安全性確保と同時にビルのイメージ向上にも貢献。一辺12cmの正三角形タイプ(4枚入)が900円、車止め用に一辺8cmとの正三角形タイプ(50枚入)が7000円と価格もリーズナブルだ。使用する際のコツは、スプレー糊を壁面などに塗布した上からシールを貼り、ゴムハンマーで叩くと剥がれにくくなる。

アマノ 太陽光発電で駐車場の電力消費を2割減
 今夏、オフィスや工場、商業施設で様々な節電対策が施されたが、駐車場管理システムを手がけるアマノ(横浜市港北区)も駐車場内における節電対策に積極的に取り組んでおり、太陽光発電設備を利用した「ソーラーパネル付き保護屋根」を展開している。
 同製品の発電量の実証実験をゲート式駐車場(入口1ヶ所、出口1ヶ所)で実施。2ヶ所の太陽光発電設備とLED照明を設置した電力量シミュレーションの結果、約20%の節電効果が得られた。
 表示装置にLEDを採用することで、衝撃に強く超寿命で、故障頻度が低いため、さらなる節電効果とランニングコストの削減にも繋がることになる。今後は、一般の時間貸し駐車場や官公庁、商業施設付帯の駐車場に対して積極的にエコ化を推進していくという。
 同時にLEDを採用した入口表示灯、出庫警報灯も発売される。

オプテックス LEDとハロゲンライトの2つの光源を搭載 必要な時に必要なあかりを提供する省エネライト
 防犯用センサの世界的メーカーであるオプテックス(滋賀県大津市)は、コア技術であるセンシング技術と照明を組み合わせた駐車場用照明機材「ハイブリッドエコライト」を今年8月から展開。ビルやマンションの駐車場、倉庫などに導入し、「必要な時に、必要なあかり」を提供することで、照明の無駄を防ぎ、大幅な省エネを実現する画期的なエコライトである。
 同製品はLEDとハロゲンライトの異なる2つの光源を搭載し、周囲が暗くなると常夜灯としてLEDがほのかに灯り、人感センサで人や自動車の往来を検知するとハロゲンランプが点灯する仕組みだ。同社の事業企画グループリーダーである増沢氏によると「当製品は駐車場で主に使用されている水銀灯と比較して年間電気代で約88%削減が可能。また、イニシャルコストとランニングコストの10年間の累計を比較した場合、水銀灯は約17万円、LEDは約14万円ですが、当製品は7万円とLED照明の約半額で導入できます」
 また、同製品は照射範囲や照度にこだわり、使い勝手のよさを追求。人感センサ検知エリアと同一の15×15m四方において、人の行動を視認できると言われる平均水平面照度3ルクス以上を満たす。そのため、一カ所の設置で、住宅用センサライトの4台分をカバーできる。
 「照明機材には人感センサ、照度センサ、制御部が一体となり、重量も約2・1kgなので設置場所を選びません。高輝度LEDの動作表示灯も搭載し、設置高4・5mでも動作状態を確認でき、事業所用の200V電源にも対応しています。また、住宅地が周囲にある場合には、深夜帯でのハロゲン点灯を停止できるように設定もでき、近隣住民への光害対策も可能です」(増沢氏)

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