不動産トピックス

クローズアップ ガラスコート・フィルム編

2011.07.04 15:14

 「節電の夏」「省エネの夏」という言葉がいわれて久しい。今夏は対策を講じているビルが多いとはいえ、各地で真夏並の気温が観測されて改めて夏の暑さを感じたオーナーも多いのではないだろうか。最大の熱進入路である窓ガラスを遮熱し、本格的な夏の到来に備えたい。

ダイアン・サービス 透明度と赤外線カット両立したフィルム 特殊素材で初心者でもきれいに簡単貼付
 ダイアン・サービス(東京都品川区)が販売する「紫外線カット&日射反射フィルム『はるピタ』」は、高い透明度と紫外線カット効果を両立させた窓ガラス用フィルムだ。透明度をあらわす可視光透過率は通常ガラスの89%に対し84・1%で、見た目はほとんど同じ。紫外線カット率は通常ガラスの40%に対し同製品は95・8%。日射反射率は同じく7%に対し9・5%で、体感温度を約2℃下げ空調の省エネにも繋がる。また高い紫外線カット効果は備品の劣化や褐色化、色あせを防ぎ、室内を美しく保つ。
 同製品のもう一つの特徴が、貼付・剥離が簡単にできる点。従来、窓ガラス用フィルムの貼付には特殊な技術が必要で、初心者がきれいに貼るのは困難を極めた。同製品は接着剤に替わり透明特殊吸着層を採用。初心者でも簡単に貼付することができる。フィルムには厚みをもたせて扱いやすくし、さらに従来品の貼付に不可欠とされていた水も必要ない。接着剤を使わないためきれいに剥がすことができ、何度も貼り直せる。剥がした跡も残らないため、賃貸物件にも適している。またハサミで切ることができ、重ね貼りも可能で、面積の大きなガラスにも対応している。
 耐久性も高い。同製品は屋内用だが、屋外用製品の検査のための「サンシャインウェザーテスト」では1000時間の耐久性をクリア。屋内ならば10年~15年は持つ。掃除も柔らかい布で水拭きするだけという手軽さだ。同社企画開発室室長の三輪信子氏は「施工の煩わしさやコスト、メンテナンスなどのストレスがない製品です。過度な紫外線吸収を防ぎ、健康にも寄与します」と話している。

大光テクニカル 最大30%節電のガラスコート
 大光テクニカル(岐阜県海津市)が販売する「エコガラスコート」は、高透明・高遮熱のガラスコーティング剤。既存のガラスにコーティングするだけで、ガラス表面に形成された皮膜が外部からの熱を吸収。室内の温度上昇を抑えて空調の稼働を減らし、節電につなげることができる。同社が実施した調査では年間使用電力の約25・5%を削減し、夏のピーク期3ヶ月間(7~9月)では約30%の削減を実現したという。
 同製品は、透明度と耐久性が高いアクリルシリコン、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤などからなり、近赤外線吸収剤には金属酸化物を使用している。金属酸化物には可視光線を透過して近赤外線を反射する性質があるため、透明度と高い遮熱性の両立が可能。同社専務取締役の古市清隆氏は「美観性と性能を両立させた製品。夏は涼しく、冬は暖かく過ごせます」と話す。
 施工はガラス上部から流す方法で、2時間で約10㎡を塗布できる。塗布から20分ほど経てば指で触れても問題ない程度に乾くため、工期の短縮にもつながる。効果は半永久的で、メンテナンスの手間も不要。保証は10年間。フィルムの貼付が難しいとされる網入りガラスなどにも塗布可能。

日本エコ断熱フィルム プライバシー保護も期待
 日本エコ断熱フィルム(東京都中央区)が展開する「業務用アルミ入り遮熱フィルム」シリーズはアルミを練り込ませた特殊フィルムにより赤外線や紫外線をカットし、備品の日焼防止や光熱費の節約につなげる製品。赤外線カット率90%、紫外線カット率98%、遮熱効果は10℃~20℃という性能ながら低価格化を実現した。ガラスに粘着するためガラスが割れても飛び散らず、防災や防犯効果も期待できる。耐久年数はおよそ20年で、剥離する際も跡が残らないという。
 ラインアップは透明度を重視した「透明フィルム」と淡いミラータイプの「中間フィルム」、マジックミラータイプの「濃色フィルム」の3アイテム。なかでも効果が高い「濃色」は部屋の中がほとんど見えず、プライバシー保護も期待できる。ガラス全面に施工すれば外観もグレードアップでき、ビルの価値向上にもつながる。
 同社代表取締役の冨田英樹氏は「カーテンやブラインドと違い、光を遮ることなく遮熱できます。耐用年数も長く、ビルの価値を向上できます」と話している。
 網入りガラスやすりガラス、ペアガラスなどにも施工可能で、表面に凹凸があるガラスなどには、サッシに貼付することもできる。ガラスとの間に空気層ができるため高い断熱効果が期待できるという。

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