不動産トピックス

クローズアップ 屋内緑化編

2011.03.28 16:03

 緑をオフィスに配置することで、心身のリラックス効果や眼精疲労の緩和など様々な効果が期待されている。ただ、植物の設置は害虫の発生や水の処理などの観点から、エントランスなど限られた場所に留まっていた。今回は、屋内の幅広い空間に緑化を取り入れることができる商品を紹介していこう。

ネコン 室内の空気環境を改善し快適な空間を演出
 ネコン(東京都港区)は、首都圏で延床面積3000㎡以上のオフィスビルを対象に、空気の環境測定事業を展開している。
 同社の代表取締役の島田晶子氏によれば、加湿装置が備わっていない建物だと冬場に湿度を基準の40%以上に保つのは難しいという。
 「2カ月に1度のペースで測定を実施し、室内のCO2の値が高い場合に、換気扇の設置や窓を定期的に空けるように指導を行っております」
 しかし、ビルに加湿装置を導入するとコストや維持費もかかり、防犯や安全面により窓の開閉が難しいことがあるため、同社ではオフィス空間の環境改善を目的に開発した「グリーンハンガー」を販売している。
 「室内の湿度を適度に保つことはもちろんのこと、『グリーンハンガー』に使用しているポストライムという観葉植物は育てやすく、枯れにくい品種になっております。また、ホルムアルデヒドなどの化学汚染物質に対して浄化効果が高いため、冬場のみならず、1年間を通して使うことができます」
 「グリーンハンガー」は、ペットボトルのキャップ部分に同社が考案したY・Hバルブを装着し、鉢に設置するだけで適量の水が自動的に給水される仕組みになっており、土の代わりにハイドロボールを使用しているため、害虫の発生の心配が不要である。

伊藤商事 新素材を利用した屋内緑化を展開
 伊藤商事(大阪府茨木市)は、屋内外に施工が可能な壁面緑化の「VERDEシステム」を展開している。
 「VERDEシステム」は不織布とウレタンスポンジの複合素材の人工培地であるアックリアのマットに、一鉢単位で植物の入れ替えができるなど機能に優れた壁面緑化資材を組み合わせたシステムである。
 アックリアは土に比べて軽量な素材であり、保水効果はもちろんのこと、植物の根に必要な空気層を確保しているため、根の呼吸困難や根腐れが起こりにくくなっている。
 また、同素材で育成された植物のアックリア・プランツは14種類ラインアップし、室内および屋外の用途によって自由な施工を実現している。
 その他に、本体のベースに貯水タンクが備わった「GREMO」や専用スタンドでインテリアとして使用することができる「MOSA」を取り揃えており、オフィスやエントランスホール内などに配置が可能となっている。

内田洋行/サントリーミドリエ 様々なオフィスシーンに導入が可能
 内田洋行(東京都中央区)は、サントリーミドリエ(東京都港区)と共同で、オフィスなどの屋内緑化に向けて、ワークプレイスのあらゆる場面に設置できる「GreenRaiL(グリーンレイル)」を販売している。
 「GreenRaiL」は、サントリーミドリエが独自に開発したウレタンをベースにした新素材のパフカルを、内田洋行が専用に開発したプランターを組み合わせた製品となっている。苗床の土の代わりに「パフカル」を使用することで、水とオフィスの照明のみで植物を育てることを実現し、水やりが容易にできるようにプランターには、注水口を設けている。
 さらに、内田洋行が展開しているカスタマイズ型ワークステーション(「ALPLACE」「LEMNA」)と「GreenRaiL」を連結することで、オフィス空間の個人のデスクやミーティングテーブル、パーティションなどにも取り付けることが可能になっている。
 その他にも、可変性の高い空間を構築できるシステムユニット「スマートインフィル」に「GreenRaiL」を組み込むことで、ミーティングエリアやリフレッシュエリアなど様々なオフィスシーンに緑のある快適な空間を実現している。

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