不動産トピックス

クローズアップ LED照明編

2009.12.14 14:55

 地球温暖化対策が世界中で喫緊のテーマとなっていることは既に周知の事実であると共に、環境に貢献する各種設備機器の積極的な導入がビル経営者には求められている。そこで今回は各社のLED照明器具の特長を紹介するとともに、省エネ・電気量削減を実現する製品を紹介していこう。

彩ユニオン 長寿命でメンテナンスの手間を省けるLED照明 水銀不使用で廃棄時の環境汚染も抑える
 和洋マネキンの製造販売・リースレンタルや各種ディスプレイ、演出物や店舗の設計、sこうまで商空間演出にまつわる幅広い事業を展開する彩ユニオン(京都市東山区)は、来年1月より新しく細型LED照明「ユニ・スティックライトⅣ型LED」の発売を開始する。
 同製品は従来のスティックライトと同様に細い、軽量、ワンタッチでの取り外し・連続接続が可能、専門の工事が不要といった長所をそのままに4万時間の長寿命を実現した。電球色と白色では蛍光灯と同等の演色係数Ra83を確保している。定格入力電圧は50/60Hz、100V。電球色、白色、昼白色の3色をラインナップし、いずれも丸形で照射角度の調整が容易。価格は8000円~1万8000円程度。
 さらに同社では8cm×8cm四方のユニットを組み合わせることで自由な看板などのサイズ設計が可能となる看板用照明「U-cube(バックライト)」も受注販売している。長寿命なLEDをさらに延命させる電流設計で、取り付けやメンテナンスのための手間を大幅に省いてくれる。光源内部には水銀を使用していないため、廃棄時の環境汚染も抑えられる。ライトの背面には反射板が設置されており、反射により光ムラのない照明の確保も可能にしている。U-cubeは標準照度仕様(0.42W)と高照度仕様(0.66W)の2タイプから選択でき、1ユニットごとにLEDが8個装着。明るさは標準照度で約900~950カンデラ/㎡程度。高照度で約1200~1300カンデラ/㎡程度。

プリンス電機 省エネを学ぶ出張授業を実施
 プリンス電機(横浜市鶴見区)の「省ライン」は、平成16年度の環境大臣賞と省エネ大賞をダブル受賞した環境配慮型の蛍光ランプである。
 最大の特長は製品の管径。一般的に使用されているスタータ形・ラピッドスタータ形の蛍光ランプは管径が32.5mmであるのに対して、「省ライン」の管径は15.5mmとスリムな設計になっている。これにより同じ明るさでも消費電力は一般的な蛍光ランプより最大で47%削減することができるのだ。まだ、「省ライン」は運搬時において体積が従来品の3分の1となり、輸送の際のCO2排出量の削減にも役立つ。
 同社ではこの他にも環境保護の考えを広める一環として、横浜市内の小学校で出張授業を実施している。東使氏「この授業では小学生の皆さんが蛍光ランプの仕組みから省エネを行うことの重要性、そして当社の製品を使用することによる省エネ効果を学びます。それぞれのご家庭内でも省エネについての関心を深める話題づくりになればと考えています」と語る。

パナソニック電工 来年3月開業の新駅でオールLED化が決定
 パナソニック電工(大阪府門真市)のLED照明器具「EVERLEDS」シリーズが、平成22年3月開業の阪急電鉄京都本線の新駅「摂津市」駅に採用されることとなった。この「摂津市」駅は日本初の「カーボン・ニュートラル・ステーション」として話題を集めており、設置されるLED照明器具の数は合計で343台。ホームや待合室、改札、地下通路、トイレなどに設置される予定である。
 同製品シリーズは「省エネ・省資源・クリーン」をコンセプトとしており、同じ明るさの器具1灯あたりの消費電力を比較すると、白熱灯が54Wであるのに対し同製品は6.9Wと約87%のダウンに成功。また、約4万時間の長寿命で10年間は器具の交換が不要である。同駅への設置にあたり特に雨や風など激しい環境が想定されるホーム部分には、照明器具メーカーならではの技術開発力によりホーム用のライン型LED照明器具を開発。今年10月から同線「南方」駅に試験設置され、十分な明るさを確保できることや列車の運行に影響がないことが検証されている。
 今回同駅に設置予定のLED照明器具はホーム用ライン型が150台、ダウンライトが91台、ベースライトが85台などで、同社では今後も駅舎や踏切、街路灯などの交通機関や公共施設に向けたLED照明の提案活動を強化していくとしている。

シャープ 業界トップクラスの効率で省エネ実現
 シャープ(大阪市阿倍野区)は平成20年にオフィスや工場・商業施設の主照明として蛍光灯と同等の明るさの「ストレート型」や150Wの白熱灯と同等の明るさの「ダウンライト」などのLED照明を開発。全11機種の販売を開始している。
 国内における照明器具が消費する電力量の内訳を見ると、業務用・商業用照明は家庭用の約2倍の電力を消費しており、省エネかつ有害物質の水銀などを使用しない環境性能の高い次世代照明への切り替えが求められている。
 同社のLED照明「ストレート型」はオフィスや工場の照明に適しており、LED照明として業界最高の74ルーメン/Wの総合効率によって蛍光灯2本分と同等の明るさを実現した上で消費電力を約25%低減している。また、このストレート型と会議室や応接室に適した四角い形状の「スクエア型」は、拡散面発酵技術により均一な照明を実現している。さらに、「ダウンライト」は業界最高の明るさを実現した150型などをラインアップし、ショッピングセンターや百貨店などといった商業施設やホテルのロビー、オフィスのエントランスに活用することができる。
 なお、大阪府堺市で平成22年3月までに稼働予定の同社「21世紀型コンビナート」内の主照明としても同製品が全面的に採用されており、LED照明の同敷地内設置規模としては世界最大クラスとなる。

PAGE TOPへ