不動産トピックス

クローズアップ 防災用品編

2009.08.24 16:55

 「防災の日」を前にすると、避難訓練の実施などを通し、万が一の事態への備えを確認する機会が増える。普段疎かになりがちだが、近年は「BCP(事業継続計画)」と称して災害時の事業継続や復旧計画を立てる企業も増えてきた。今回は、オーナー側にも災害時の対応が求められる昨今、お役立て頂けるよう防災設備を紹介する。

ヤマック 煩雑な消防点検票等の作成支援ソフト 消防工事の見積・防火対象物点検も一元化
 ヤマック(東京都立川市)では、消防点検票の作成ソフト「楽チェック」、防火対象物点検票の作成ソフト「楽かんり」等を販売している。
 これらはいずれもビルの管理者等が定期的に行う作業であるが、従来は法改正や書式変更への対応が煩雑、記入ミスが起こりやすいなどの問題があった。同社ではこれらの課題に対して、従来品と比較して安価で簡易・かつ法改正にも対応できるソフトとしてこれらを開発した。
 消防点検票を作成する「楽チェック」は、消防設備点検で使用する全書式をサポートしており、エクセルをベースとして簡易な入力方法を採用すると同時に、エクセルやワードで既存の明細表などがある場合はこれらの取り込みも可能。従来品では手入力であった部分も半自動化し作業効率を向上させている。また、別売のLAN-PACKを導入すれば複数台のPCで点検票を編集でき、管理物件が多い場合はさらに作業性が高くなる。
 防火対象物点検票を作成する「楽かんり」は、管理状態が不明確になりがちな防火対象物の定期点検について、物件ごとにテナントの提出状況や権限者など必要な情報を一元管理できる。また、建物規模に応じて消防計画の規模等を自動判別、各自治体ごとに異なる点検項目にも無償で対応している。
 価格に関しては「楽チェック」が14万円、「楽かんり」が初期費用13万円と年間サポート費2万円となっている。

サンデンキ 避雷針では不十分な雷対策 ビル全体を雷被害から保護
 サンデンキ(東京都千代田区)では電気機器を落雷の影響から防護する雷サージ対策機器「furse」を販売している。
 現在、落雷対策としては避雷針の設置が一般的だが、避雷針では捉えた雷を地上に放電する方法のため、建物の設置部分や配線などを通じて建物内へ誘導雷が侵入し、電気機器やパソコン内のデータなどを破損する危険性がある。
 こうした落雷による被害は年間約一千億~二千億円規模ともいわれており、火災共済の支払い件数においてもJA共済では年間約四千件にも上る雷被害が報告されている。
 こうした雷サージ対策については欧米では建築基準に盛り込まれているものの、日本ではビルの必要条件とはされておらず新築のビルでも対応できているものは少ない。
 同製品は英国トマス&ベッツ社製のもので、様々な雷サージの侵入経路に合わせて配電盤や各機器に直接取り付けることで、パソコンをはじめとする電子機器やエレベーターや防犯機器といった故障の許されない装置の被害を防止する。
 また、同様の商品が複数回の雷サージに対して脆弱であるのに対して、同商品は繰り返し効果を発揮する点やあらゆる電源方式・通信線に対応できる点で欧米を中心に高い評価を得ている。
 日本ではビル全体に雷サージ対策を施す例はまだ少ないが、異常気象の増加を受けて公共施設や集合住宅を中心に導入が増えているとのこと。また、テナントからの要求でオーナーが各階の分電盤に設置するケースもあり、IT関係の企業のみならずデジタル化が進行した現在、こうした雷サージ対策はIT化への高度な対応によるオフィスビルの付加価値化のひとつとなりそうだ。

HA1 コンパクトな地震速報受信端末 簡易な設置と高度な機能を両立
 気象庁の提供する緊急地震速報は、地震の初期微動(P波)を観測して主要動(S波)の到達前に知らせることで、被害を最小限に食い止めることを目的としたサービスで、震源に近い地震計の捉えた観測データを直ちに解析し、各地への到達時刻や震度を可能な限り素早く知らせ、強い揺れが来る前に地震に備える事を可能にする。
 HA1(東京都中央区)が販売する「ORUCA」はこの緊急地震速報の黎明期からの技術や実績を継承しながら、従来品の機能を損なわずにコンパクトなサイズと低価格で提供している。
 同製品の設置には、あらかじめ位置情報を登録した本体を電源とインターネット回線を繋ぐだけで、その他の複雑な配線や設定作業は不要である。以降、端末ごとに計算され配信される情報をもとに、設置場所の緯度・経度・地盤の固さを端末内で計算、地震発生までの猶予時間を最長3分前から1秒単位で知らせてくれる。加えて、オプションとして気象情報の配信にも対応している。
 また、端末は館内放送をはじめとした外部機器へ接続することができ、同時に詳細な設定を行う事でこれらの制御も可能としている。
 これによって、例えば放送機器の電源を放送開始前に自動的にオン、放送が終わればオフにすることや、エレベーターは自動的に停止するが自動ドアは開放したままにする、といった細かな設定も行える。複数台を連携した使用を行えば、別のフロアごとや建物ごとに違った設定を行う事も可能となっている。

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