不動産トピックス

クローズアップ 機能床材編

2009.02.23 11:45

 ビルに用いられる床材として石材やタイルカーペットといった一般的な製品が広く普及しているが、近年では、技術の進歩と共に新たな機能性を持たせた新素材が開発されている。今回は、床材の中でも特徴的な製品をクローズアップ。従来品には見られなかった新たな機能を備えた製品を見る。

バーテックス 雨の日でも施工が可能なユニーク床材
 バーテックス(東京都府中市)が提案する「バーテックス床コーティング材」シリーズは、環境対応型の塗材である。
 同社の営業部課長である佐々木昌浩氏は、製品の特徴についてこのように語る。
 「この製品は元来、潜水艦の外壁を補修するために開発されました。そのため、水中でも塗装することができ、引っかき硬度4Hという、通常の床材と比較して非常に高い硬度を実現しています。この技術を活用して開発された製品が、『Vertex アートフロアリング』です。」
 「アートフロアリング」は、あたかも漆喰のようにコテを用いて施工する床材である。顔料などを用いて色を変化させることができるほか、デザイン性を保持したまま透明ウルトラノンスリップ材を併用して、より滑りにくい床を提供する。
 「主に商業施設やビルのエントランスなどに採用されておりますが、コテを用いるという特性により、これまでの床材になかった波を思わせる模様などを表現することができます。また、その都度当社の職人が施行しますので、他の物件とは異なる、ビルオリジナルの模様を作り出すことができるのです」(佐々木氏)
 価格は、1㎡あたり6000円とのこと。
 製品の開発上、水に強い床材となっているため、雨で濡れた床にもそのまま施工可能だ。ただし、乾燥まで約8時間必要なため、注意が必要。
 一見すると、ガラス面の様なツヤを実現するため、高級感も演出可能だ。

積水化学工業 軽くて大丈夫な硬質発泡の床下材 簡単にカッターでサイズ調整可能
 積水化学工業(大阪市北区)が開発した「ゼットロン」シリーズは、軽くて割れにくい硬質発泡剤である。
 当初は自動車の内装材として大手メーカーから発注を受けて開発した素材だったが、その優れた圧縮剛性と断熱性などにより、フローリング床などの下材にも使用されるようになった。
 この製品の気泡構造はラグビーボールを縦に並べたような形状となっており、軽量で加工がしやすく、耐水性にも優れている。
 「この素材の使用用途は非常に幅広く、床材以外にも様々なものに活用されています。床の下地材としての導入事例の中には、あるオーナーが床材の合い見積もりを取った際に、複数の業者がこの床材との組み合わせによる提案を行っていたという例もありました」と建材事業部部長の福岡孝政氏は語る。
 この製品が内装業者に好まれる理由は、軽量であることとカッターで切ることができる点に加え、切った際に切りくずが発生しないことである。
 「切りくずを清掃するためのスタッフを削減することができますので、その分コストカットにもなります。また、この製品は非常に軽量ですので、輸送も簡単なのです」
 価格は、910mm×1820mmのサイズ1枚あたり1500円。  床材以外にパーテーションとしても用いられており、用途は幅広い。

東リ タイルカーペットが新たに38アイテム エコマーク認定カーペットを開発 リサイクルシートが再生比率を向上
 「東リタイルカーペットGA-8200EM」は、東リ(兵庫県伊丹市)が今年2月に発売したエコマーク認定商品の1つである。
 同社によれば、タイルカーペット市場は商業施設から各種施設へと用途が広がりつつあるとのこと。中でも、環境配慮型の製品に対する要望が強くなっている時勢を背景に発売となった。
 この製品は、既存商品のバッキング材の一部にリサイクルシートを採用している。
 リサイクルシートとは、タイルカーペット廃材から繊維を分離することなく、100%還元するというマテリアル技術におって成型された素材だ。この素材を用いることで、重量に対する再生材料比率25%を実現した。
 今回発売となった「GA-8200EM」は、従来品が持つ防汚・防炎及び制電という機能に加えて、インテリアファブリックス性能評価協議会が定めた最上位規格であるFIF☆☆☆☆に対応。省エネのみならず、テナントの職場環境にも配慮している。
 価格は、1㎡あたり8800円。受注生産品となっているため、入荷可能時期には注意したい。ガラス繊維室を含むバッキング材と、100%ナイロンパイルで構成されている。
 厚さが6・5mmとなっており、スムーズな歩行感を提供する。
 同社のエコマーク認定商品で、今回新発売となったのは、同製品を含む4柄38アイテムである。

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