不動産トピックス

クローズアップ LEDランプ編

2008.12.01 14:44

 従来まで蛍光灯の性能を大きく上回り、消費電力の削減や環境負荷の低減に役立つアイテム、LED照明。しかしながら、多彩なメリットを有するこのLEDも、まだ改善すべき課題があるようだ。今回のクローズアップではそうした課題を克服した最新製品を中心に、各社LEDを見ていく。照明設備のコストを抑えたいオーナーは、是非参考にしてほしい。

ライジング・サン 蛍光灯と同等の空間平均照度を実現 1日12時間で10年交換不要 長期的なコスト低減を可能に
 ライジング・サン(東京都豊島区)の「EcoLight」は、既存の蛍光灯照明器具の替わりに取り付けが可能なLED照明器具である。従来の蛍光灯に比べてメリットが多く、導入が推進されているLED照明。しかし、代表取締役の野口氏はLEDにも弱点があるのだという。
 「LEDは蛍光灯と比較して、少ない消費電力で同等の明るさを実現することができますが、『ルーメン』の単位で表される空間の平均照度においては、蛍光灯よりも劣ってしまうという課題がありました。当社の『EcoLight』は独自の技術でこの課題を克服し、消費電力はそのままに蛍光灯と同等以上の平均照度を実現しています」(野口氏)
 この特徴に加え、同製品はLEDの最大の特徴である長寿命も有している。1日12時間点灯した場合、蛍光灯はおよそ2年のサイクルで交換が必要となるが、同製品の寿命は5万時間以上。設置後10年以上はその明るさを保ち、交換の必要がなく消費電力は蛍光灯のおよそ半分であるため、初期投資こそ同製品が上回ってしまうものの、長期的なトータルコストでは約3年半で蛍光灯を逆転する計算となる。
野口氏は「LED照明は省エネや環境に対する貢献に、大きな効果を発揮すると考えております。また、『ECOLight』はアルミニウムやポリカーボネイトを主な材料とし、リサイクル性も高いので、これからのサステナブル社会に適した省エネ商品として、広く普及を促してきたいと思います」と語る。

礎電気 安定器不要のLED交換プラン 杉4600本分のCO2吸収量に相当  礎電気(東京都荒川区)では電気機器の自動制御盤、競泳やアメリカンフットボールなどで使用される電光表示盤、タイム表示器など、スポーツ競技用表示器の製造・販売を行っている。
 これらのノウハウをもとに同社が手がける「ECO400プラン」は、既設の照明器具(グロー式・ラピッド式、1灯〜多灯式)をLEDランプに交換し、また、安定器を使用せずに100〜200Vの電圧をLEDランプに、直接給電点灯する方式である。
 代表取締役の高橋昭氏は「当社の『ECO400プラン』は既存の照明設備を有効活用し、安定器の保守等の手間も省けるため、約60%のコストダウンを実現することができます」と話す。
同社の計算によると、従来の蛍光灯400本が1年間に排出するCO2は8万5568㎏。
 「ECO400プラン」を採用することにより、CO2の年間排出量をおよそ5万500㎏削減することができる。これは杉の木4600の年間CO2吸収量に匹敵するとのことだ。
 またLEDは紫外線の発生量がほぼゼロであるため人体にやさしく、オフィスビルの他にも、学校や病院など幅広い場面で安心して使用できることがポイントだ。
 高橋氏は今後の展開について「当社はこれまで長年の研究開発によって、質の高い制御システムを提供してきています。この技術を、LED照明をはじめさまざまなビル設備と組み合わせ、ビルのコスト削減に役立つサービスを今後も発表していきたいと考えています」と述べた。

ワコーシステムコントロールズ 屋外に適したスクエアタイプLED 虫が寄り付かず衛生的 室内用では冷房効果も
 ワコーシステムコントロール(東京都品川区)の「ELA-100」シリーズは、室内に適した蛍光灯タイプや屋外に設置可能なスクエアタイプがあり、使用する場所に応じた使い分けが可能だ。
 同社はこれまでスイッチボタンのバックライト用LEDの製造・販売を行ってきた。そんな中、LEDに虫が寄り付きにくいという点に同社は着目し、「ELA-100」シリーズの開発を行ったのだそうだ。
 屋外に設置された蛍光灯には虫が群がる光景がよく見られ、衛生的にも景観上も問題がある。「ELA-100」のスクエアタイプは屋外灯や看板照明、さらには食品工場などでもその効果を発揮する。製品は白色・昼光色・暖色の3種類。照射角度は各種類とも10・30・40・90度の4パターンが用意されている。
 また、同製品の蛍光灯タイプも既存蛍光灯からそのまま交換が可能で、蛍光灯特有のチラツキや点滅がなく、点灯直後から十分な明るさを発揮することができる。
 同社の試算では、「ELA-100」シリーズを1日12時間使用した場合、蛍光灯に比べ電気料金は約4分の1まで抑えることが可能とのこと。LEDランプは器具自体の発熱量が少ないため、夏場における室内の冷房効率のアップにも効果的である。同社ではソーラーパネルの開発・製造も行っている。今後はLED照明器具とソーラーパネルを組み合わせた、さらなる省エネ照明の開発に取り組むとしている

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