不動産トピックス

クローズアップ 空調改善編

2008.02.18 17:37

 より快適な環境を提供するために必須の空調だが、入れ替えともなればコストもばく大な金額がかかるのが現状だ。そこで、今回はそのダメージを軽減し、無駄のないように管理するためのツールを紹介。空調機の寿命を延ばすためのアイデアを見ていく。

川本工業 HP上で簡単に操作予算に応じて相談も ビルの省エネを無料で診断
 川本工業(横浜市中区)は、HP上でビルの省エネ診断を無料で行えるソフトを公開している。これは、1年分の電気・燃料の請求書とビルの延床面積を確認し、データを入力するだけの簡単ツールだ。
 エネルギー消費原単位と呼ばれる、ビルの床面積あたりの消費エネルギーを示す値が、計算後のページに表示される。ページの上部には算出式によってはじき出された、年間あたりの削減可能額が提示される。この数値を基に同社に問い合わせると、無料でビルの診断結果の解説をしてくれるという仕組みだ。
 1年あたりの削減可能額が80万円に及ぶこともあるそうだ。費用に応じてランニングコスト削減に関するコンサルティングや詳細調査も行っているため、一度ビルの健康診断を行うのも良いだろう。

ネオス メンテナンス洗浄による消費電力削減 素材を傷めない洗浄剤汚れの除去に高い効果
 「リグライトM30」は、ネオス(神戸市中央区)が開発した水溶性洗浄剤だ。
 タバコのヤニやダニの死がい、雑菌やカビといった、アルミフィンの隙間やエアーフィルタに侵入した汚染物質の除去に高い効果を発揮する。メンテナンス洗浄により、アレルギーの抑制とともに消費電力の削減及び不要な修理費をカットすることを目的とするというもの。
 「フィンやフィルタの目詰まりによる空調機能の低下は良く知られていますが、使用する液剤によっては素材へのダメージが強く、交換時期を早める危険性があります」
 製品の使用時に、従来のエアコン用アルカリ洗浄に見られるアルミ部の溶解がない。そのため、有毒ガスが発生せず、加えてフィン自体を傷めないためコストの抑制を可能とするのだ。

三井・デュポンフロロケミカル 既存設備をそのまま使用可能 オゾン破壊係数ゼロの空調用冷媒
 三井・デュポンフロロケミカル(東京都千代田区)が開発した「アイセオン9」シリーズは、オゾン破壊係数ゼロの冷媒である。同シリーズの中でも、ビルに使用される業務用エアコンに対応し、従来品と同等の冷却能力を有するのが「アイセオンMO59」である。
 従来使用されてきたHCFC冷媒はオゾン破壊係数があるため、環境に及ぼす影響が大きいとされており、入れ替えるためには設備自体を施工する必要があった。
 「このシリーズは、既存設備をそのまま使用することが可能です。中に充填されたフロンガスを抜き、タンクに封入された『アイセオン9』を充填します」
大掛かりな施工が不要で、しかも既存の設備をほぼそのまま使用できるため、テナントへの負担が軽いのが特長の1つである。

トヨテック 紫外線ライトでコスト削減 空気環境改善を実現するアレルギー物質散布防止
 トヨテック(千葉県野田市)が輸入・販売する「STERILAIRE(ステリル・エアー)」は、ウィルスやカビの胞子を除去する紫外線ライト(UVCエミッター)である。
 この製品は、空調システム内に設置することで、従来の冷却コイル清掃における課題である、中央部分の有機物除去を可能とする。
「この製品は米国で開発されたものです。対ビルオーナーの労働環境における訴訟を考慮して、先んじて導入されている顧客が多いのが特徴でしょう。この製品は、日本国内では主に食品工場などで使用されています」
 この製品は、液剤の使用や洗浄のコストを削減するとともに、エネルギー効率を高めることが可能である。実験では、約30%のコストダウンを成功させたという結果も出ているという。

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