不動産トピックス

クローズアップ 消火器編

2008.01.14 11:37

 乾燥した空気が火災を起こしやすい季節である。消火器は消防法によって設置が義務付けられているのだが、各メーカーからは様々な用途に応じた製品が販売されている。大事な資産とテナントを守るためにも、もう一度見直してはどうだろうか。

初田製作所 業界初のエコマーク取得 純水使用でオフィスに最適
 初田製作所(大阪府枚方市)では、環境に配慮した消火器である「ECOSS-WET(エコスウェット)シリーズ」を製造・販売している。
 本体は高強度のステンレスでできており、デザインもステンレスの地色である銀と赤のツートンを主体としているので、従来の赤一色の消火器にはない洗練された外観となっていう。従ってビルのエントランス部分等、人目につきやすい場所に設置しても雰囲気は損なわないだろう。
 同シリーズの最大の特徴は、水系消火剤を使用する事である。
 油火災などは可燃物そのものが冷却されなければ再燃する可能性があり、この点で粉末タイプよりも液体タイプの方が適する。
 東京支社の三井田氏は「特に一般的なビル、事務所などに使用する場合はシリーズの中でもピュアウォータータイプがお勧めです。これは純水を使用するもので、電子機器が置かれているオフィスなどでは使用後も復旧が速やかです」と語る。
 他にも同社では様々な用途の消火器を用意している。粉末タイプの「ECOSS-DRY(エコスドライ)シリーズ」は業界で初めてエコマークを取得した製品である。
 再生消火薬剤を40%以上使用し、回収及びリサイクルシステムを導入している。
 これまで加圧式の消火器が業界の主流だったが、破裂事故などの問題も発生していた。同社では環境破壊につながらない窒素ガスによる蓄圧式消火器シリーズを標準仕様にしたとの事である。

ヤマトプロテック 簡易で繰り返し使える消火訓練機器 警報音を鳴らしいたずら等を防止
 ヤマトプロテック(東京都港区)が製造販売している訓練用放射器具「はやわざクン」は、繰り返し使える消火訓練用の器具である。
 通常、訓練用放射器具は水を充てんして使用するが、これまでの器具は空気ポンプやコンプレッサーで水を入れた後に圧力を充てんしなければならず、手間と時間がかかっていた。
 統括部課長の佐藤氏は「はやわざクンは水道水ホースと連結するだけで簡単に充てんでき、専用の圧力充てん器も不要です。また、放射圧力・距離ともに従来品とそん色はありません」と語る。
 同社の発表によると3リットル用を使用した簡易実験では水の充てん時間は約35秒で、この時点で使用可能な状態となる。それに対して従来品は約60秒かかり、さらに空気ポンプでの圧力充てんに120秒かかった。つまり合計約3分かかる事になり、はやわざクンの5倍となった。
 また同社では、いたずら防止警報器付きの消火器「トルピー」も製造販売している。この製品は消火器を使用した際に緊急警報音が鳴るようになっており、いたずらなどで使用された際に周囲の人が気づきやすくなっている。
 また、この機能はいたずらではなくても、火災を周囲に知らせる事になるので緊急の際には有効だろう。

モリタ 薬剤投げ入れガソリン爆発防ぐ 色鮮やかな花を模した消火剤でとっさの天ぷら火災に対応する  モリタ(東京本社:東京都港区)では様々な消火剤を製造販売しているが、小さな天ぷら火災にも対応するユニークな製品も販売している。
 「消火フラワー」はその名の通り鮮やかな花を模した消火剤である。製品本体の大きさは約50cm、重さも100グラム程度で、片手で誰にでも扱えるようになっている。同社のホームページでは以下のように使用方法を説明している。
 まず花の茎の部分、根元を手に取り炎が出ている天ぷら鍋の中に油が飛び散らないようにゆっくりと落ち着いて投入する。しばらくすると消火するので、離れた場所から確認後、ガスの元栓を閉める。
 ただし、この製品は絶対的な消化を保証するものではなく、同時に天ぷら火災以外の消化には使用できないともされている。
 同社では他にも「消救弾」という製品も販売している。これはガソリン等が床にまかれてしまった場合に爆発を抑制するための製品である。
 ガソリンは床や地面にまかれると可燃性蒸気を発生させる。つまり空気中に広範囲に可燃物が散らばるようなもので、静電気等でも発火する可能性がある。消救弾はガラスの容器に薬剤が入っており、投げ入れて割れた際にそれがガソリンを覆う。これによって蒸気発生を防ぎ、爆発事故を抑制する。

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